カテゴリー別アーカイブ: 【☆ ミルク売りの少年は世界を夢見る】

☆ 朝一番はお嬢様たちに

 朝、僕はいつも通りにお嬢様たちの食卓に急いだ。

 朝は腰の辺りに何かが張り詰めて貯まっている感じで、ちょっと歩きにくい。
 どこかが膨らんだりしているわけではない。もてあましたエネルギーがそう感じさせている。

「お早うございます!」
「おはよう、詞露(しろ)。遅いわよ」
 遅くないはずだが、いつも遅いと言われる。

 お嬢様たちは三姉妹だ。
 真ん中の緋映(あけは)お嬢様が、いつも遅いと僕を叱る。

「時間通りですわ」
「待ちきれないだけよね?」
 妹君の美赤(みあか)お嬢様はあまり褒めてもくれないが、理由無く叱ったりもしない。
 姉君の紅華(くれか)お嬢様はいつも優しい。時々一番怖いけど。

 僕はお嬢様たちの前に進み出て、スカートをめくってオチン×ンを見せつける。
 女物のメイド服を来ているのはお嬢様たちのリクエストだ。

 視線が集まる。お嬢様たちだけでなく、控えているメイドたちも僕のオチン×ンが大好きだ。

「どうぞ、朝一番のミルクです」
 僕のオチン×ンから出るミルクはとても美味しく、女の子を美しく健康にするそうだ。
 薬効成分は完全に解析はされていない。同じモノは造れないらしい。
 若返りと美容の妙薬として、そして美味しい飲み物として高価で売られていた。

 昔、僕をそのようにした所では、拘束されてただ搾られ続けていた。
 目隠しされ、誰に搾られているかも解らなかった。

 一日中搾られることができるよう強化された精力は、すぐに苦しいくらい射精したくなる。
 でも、女の子のお口かオマ×コに包まれていないと射精できない。もちろん気持ち良くなるために刺激する必要もある。
 夢精したりオナニーしたりして、勝手に出さないように、女の子の中でしか射精できないようにされたらしい。

 そして精力が貯まってくると、近くの女の子を発情させてしまう。
 女の子の中でしか搾れない僕のミルクをたくさん搾るためだったらしい。

 僕が気持ち良いほど、良いミルクが搾れる。
 昔はただ快楽を与えられ続け、搾られ続けてきた。

 そこは違法な場所だったので、摘発されて無くなった。
 助け出された少年少女はいろいろな所に引き取られた。

 僕は受け止めてくれる女の子がいないと、おかしくなってしまうだろう。
 でも女の子を発情させてしまうので、隔離されるところだった。

 お嬢様たちに助けられた。
 僕を引き取ってくれた上に、搾ってくれる女の子を紹介してくれる。

 お嬢様たちは、知らずに僕のミルクを買っていたそうだ。
 僕は今もミルクを売って生活している。

 僕のミルクはかなり高価に売れる。
 お嬢様たちには、僕の居場所をもらう代わりに無料で提供している。

 朝の一番搾りはお嬢様たちのモノだ。

 緋映お嬢様が先端にキスしてくれた。
 美赤様と紅華様はオチン×ンに頬擦りしてくる。
 すぐに三人の舌が舐め始めた。

 僕が気持ち良くなるほど、美味しく、女の子をより美しくするミルクが出る。
 お嬢様たちはずいぶん上手になった。
 それでも、長い間快楽を与えられ続けていたオチン×ンはなかなか射精しない。

 近くにいる女の子が発情するのは主に香りのせいらしいが、直接僕の体液や肌に触れると、発情を越えて快感を感じてしまうらしい。
 これも僕を女の子たちに搾らせるためだったようだ。
 お嬢様たちが激しくお口を使うのは、僕を搾るためだけではなく、気持ち良いからだ。

 緋映お嬢様に咥えられてカリ首の辺りをしつこく舐めしゃぶられているとき、射精が始まった。
 緋映お嬢様の動きが一瞬止まる。気持ちよさそうだ。
 僕は紅華様、美赤様にも咥えさせてミルクを分ける。

 放心したようなお嬢様たちの荒い息遣いが下腹部をくすぐる。
 美赤様がオチン×ンの中に残っている分を吸い出そうとする。
 すぐに緋映様、紅華様も加わり、オチン×ンを囲んでディープキスしているような感じになる。
 ミルクを味わいながら、くちゅくちゅと交換している。
 ミルクまみれの姉妹の舌の味を確かめているようだ。

 少し落ち着いてくると、お口の中のミルクを飲み始めた。
 このときも喉からお腹にかけて快感が通ってゆくそうだ。

 飲み干した後、三人でオチン×ンを綺麗に舐め清めてくれた。
「ごちそうさま」
「美味しかったあ……ごちそうさま」
「ごちそうさま。詞露が居てくれるなんて幸運ですわ」

 僕を欲しがる人はたくさん居るが、また搾られるだけの家畜のような扱いをされかねない。
 お嬢様たちには感謝している。

 僕のこの身体は、女の子を堕とすためにあるような気もする。
 搾らせるための性奴隷もいくらでも調達できるだろう。
 搾られないと苦しいし、僕を搾るのは気持ち良いはずだ。

 しかし、望まない女の子を堕としてはいけないということになっている。
 近くに来てしまったらもう遅いので、この館にいる少女たちは僕を受け入れることを希望した娘だけだ。

 世界は広いらしい。
 この館から出ることは禁じられている。

 仕方ないと思うけど、納得できない感情もある。
 でも、僕の場合は、社会に受け入れられるためにそれが必要だったということだ。

 お嬢様たちが僕にしてくれることはたぶん正しい。
 僕を危険だとして、一人で閉じ込めているわけでもない。
 能力を活かして生活できるようにもしてくれている。

 でも、満たされない何かが、僕を駆り立てる。
 何処かに行ってみたいとも思う。
 いろいろな人に会ってみたいとも思う。
 望まない娘を堕としてみたいとも思う。

「何考えてるの? さっさとお仕事にかかりなさい」
 緋映お嬢様に言われて、我に返った。
 まだ射精し足りないが、あとはお嬢様たちの分ではない。
 搾ってくれる女の子が待っていてくれている。
 僕は一礼して下がった。

☆ お客様のメイドさんに

 僕のお仕事は一人ではできない。
 メイドさんたちや、お客様の協力が必要だ。

 客間に今日のお客様たちが待っていた。
 メイド服の少女たちを従えたお嬢様たち。

 メイドさんだけを派遣するお嬢様も多い。
 僕に近付く訳にはいかないけど、お気に入りのオマ×コで搾ったミルクが欲しいのだ。

 派遣されたメイドさんたちには、オマ×コに注ぎ込むことになっている。
 お口で搾って、飲まずにいられる少女は少ないから。
 彼女たちの役目は、主人のために僕のミルクを搾ることだから。

「時間通りだけど、皆さんお待ちかねですよ。早くしてあげてください」
 この館のメイド長の沙良羽さんがお客様たちを取り仕切ってくれている。
 待ちきれないらしい少女たちは、すぐに僕を迎えられるようにオマ×コを拡げて待っている。

 綺麗な、極上のオマ×コが並んでいる。
 良質のミルクを搾るための最高に気持ち良い少女たちだ。

 僕を搾るために派遣されるメイドさんも、性奴隷として育てられた娘が多いらしい。
 普通に暮らしているだけでは、気持ち良いオマ×コをもてあましてしまう少女たち。

「お早うございます、お待たせしました」
 最初に顔馴染みのメイドさんに挿入した。
「あっ……お早うございます……今日も私のミルクタンクをいっぱいにしてくださいね」
 子宮にミルクを貯められる少女は、僕を搾る役目に向いた娘だ。

 挿入しただけで、凄く気持ち良い。
 すぐに射精できそうだ。でも我慢する。
 美味しいミルクを出すために一番気持ち良く射精するのが僕の仕事だ。

 慣れ親しんだと言って良いオマ×コの中で、いつもと違う感触がある。
「何か入れてる?」
「んっ……お嬢様の作ったマシュマロですう……詞露さんのためにって、特別に」
 僕が食べる訳では無い。僕のオチン×ンを気持ち良くするための心遣いだ。

 器用に動かす腰も激しいが、膣内も自在に動いて僕を締め付ける。
 押しつけられるマシュマロが動き廻り、舐められているようにも感じる。

 たっぷり注ぎ込んだ。
 僕の射精は普通の量ではないらしい。
 気持ち良いオマ×コは良いミルクをたくさん出させてくれる。

 抜いてもこぼれたりしない。
 僕のモノを綺麗にするために舐め始める。
 中に残ったミルクは、搾り役の少女たちへの御褒美だ。

「キミの御主人様のお嬢様にも会いたいな。いつか、お客様みんなを招待してどこかへ行きたい。誰も行ったことが無いようなところへ、僕が連れて行ってあげたい」
「覚悟があるなら考えなくもないですよ。出会う女の子を全員、少しの間は幸せにできるでしょうけど、一度あなたを知ったら、もう離れられませんわ。全て受け止められるのですか?」

 できるだろうか。
 たぶん、難しい。
 僕に溺れる少女をみんな養うこともできない。
 そんな立場を許されないお嬢様も多い。

 出会ったら愛される。
 それは僕の身体のせいで、僕の魅力といえないこともないけど、何か違う。
 発情させる、美味しいミルクを出す身体が無くても愛されるなら良いが、そうでもないのだろうと思う。
 でも身体を捨てる訳にもいかないし、隠すのも何か違うと思う。

 この身体のせいで出会うことができない人たち。
 このことを考えすぎるのはたぶん良くない。

 誰だって、世界中の人と出会えるわけがないのだ。
 僕が特別な訳でも無い。

 出会う人には出会う。誰にも会わないわけじゃない。
 昔、拘束されていたときには、搾ってくれている女の子が誰なのかも解らなかった。
 僕の世界は凄く広くなった。

「あの、待ってるんですけど……」
 次のメイドさんが催促する。
「あ、ごめん。またね!」
 最初の娘の頭を撫でて、次の娘のオマ×コにキスした。

☆ 僕専用の恋人に

 直接買い付けのお客様の分を搾られて、少し休む。
 自室に戻ってきた。

「お疲れ様、詞露」
 遙愛(はるあ)が迎えてくれる。ピンク髪の美少女だ。

 この部屋は僕の自室だが、遙愛は自由に入って良いことになっている。
 というか、遙愛の部屋でもある。

「遙愛……」
 僕は遙愛を抱き寄せておっぱいをふにふに揉みながら膝に載せた。
 女の子の感触は一日中感じているけど、遙愛は特別だ。

 嬉しそうにすりすりしてくる。
 遙愛は恋人であり、愛人であり、パートナーだ。

 たくさんの女の子たちに求められる僕が、特定の恋人を持つことには問題もある。
 他の少女にも、僕の恋人になれるのではないかと期待させてしまうこともある。

 遙愛は僕と同じ場所、性奴隷を飼ったり売ったりしていた所から助け出された。
 僕のミルクを搾る係だった少女だ。
 目隠しされていた僕は、彼女を見たことはなかったけど、お口、オマ×コの感触は忘れようもなかった。

 一番上手に僕を搾っていた。相当稼いだのだろう。僕専用にされた。
 僕のミルクを飲まないと生きてゆけない身体にされた。

 彼女を引き取れたのは、お嬢様たちが教えてくれたからだ。
 お嬢様たちが引き取るのではなく、僕が引き受けるかどうか訊かれた。
 彼女に必要なのは僕だから。

 助け出されてからお嬢様たちに引き取られるまでの短い期間、僕は貯まる一方のミルクを出せなくて苦しんでいた。
 ミルクを出せないことが苦しい僕。僕のミルクが必要な彼女。
 迷う必要は無いようにも思えた。

 でも、迷った。
 遙愛には僕しかいないのは解る。
 でも、それは彼女が望んだことなのか?
 そうされたから、仕方ないからではないか?

「遙愛さんにはあなたしかいないと解ってるなら、応えてあげなさい」
「本当のあなた自身に惚れさせてみれば? エッチする必要がなくても、一緒に居たいと思うくらいなら、かまわないと思う」
「幸せにしてあげられる人間になりなさい」
 お嬢様たちの言葉だ。
 悲しくなるくらい正しいと思う。
 僕は遙愛をひきとった。

「初めまして、でいいのかな。よろしく、詞露。それで、早速欲しいんだけど……私はあなたの最高のミルクを搾る自信があるわ。欲しがる人はたくさん居るわよ。私をパートナーにするのが正解よ……来てくれてありがとう」
 初めて会ったとき、こう言って笑った遙愛は、そのときもう立ち上がれないくらい弱っていた。
 すぐに飲ませた。自分で搾ったミルクしか受け付けないのだ。

 遙愛は笑顔しか見せない。
 僕と一緒に居ることは本当に楽しいのだそうだ。

 柔らかいオマ×コのふくらみを撫で回し、揉みほぐす。
「んふふ、やっぱり私のが一番好きだよね? 良いなあ……昔は詞露に触ってもらえるなんて思いもしなかった」
 幸せそうだ。
 遙愛とエッチするときは、しっかり彼女を見る。
 感触だけだった昔と違って、遙愛の様子を見ていられるから。
 昔もこんなに幸せそうに僕を搾っていたのだろうか。

「そうだよ、昔から、私は詞露と一緒なら世界で一番幸せな女の子なんだよ」
 声に出ていたのだろうか。たぶんそうじゃない。
 遙愛は僕のことが世界で一番良く解ってしまう女の子なのだ。

「……ありがとう、遙愛」
「何言ってるのよ、ありがとうを言うのは私の方だってば。でも、詞露を幸せにするのが私の生きがいだから、そう言われるのは嬉しいよ」
 僕たちは長い口付けをした。

 扉がノックされた。休憩は終わりだ。
「時間ですよ。時間通りなのに待ちかねるのは待つ方の勝手なので仕方ないですが、遅れないでくださいね」
 メイド長の沙良羽さんが迎えに来た。
 僕たちは搾精部屋に移った。
 すぐ近くというか、自室とつながっている。

 僕のミルクは、遙愛を始めとするこの館の少女たちが搾ってくれる分も売っている。
 搾りたてというわけにはいかなくなるが。

 ある程度良いミルクを搾れる少女たちが日課として僕を搾ってくれる。
 僕はもっと出さないとつらくなるので、他にももっと自由に搾ってもらうけど、日課としてスケジュールに組み込まれている分は、選ばれた上手な女の子たちが担当する。

 遙愛が搾る分は最高級品だ。
 だから他の少女たちも遙愛が僕の特別であることを認めている。

 オマ×コを見せつけるようなポーズの少女たちが待っていた。僕を誘うためだ。
「遅い……いや、遅くはないんですけど、待ってるのは知ってるんだからもっと早く来てくれても良いのに」

「ごめんね、詞露がなかなか離してくれなくて」
 遙愛はそう言いながら僕にくっついている。

 少女たちのオマ×コを確かめるように愛撫してゆく。
 柔らかい。少女たちが悶える。
 すぐに入れたくなるが、少女たちが僕のために鍛えているオマ×コをじっくり確かめたいとも思う。

 以前は早く挿入しろと急かされたが、僕のエッチな気分が高まる方が良いミルクが出るので、そうでもなくなった。
 お仕事として搾るときは、僕が興奮することが重要で、女の子たちが気持ち良いのは結果だけど、女の子を感じさせることは僕を興奮させる。

「も、もうダメです……オチン×ン入れてください……入れてくれないと泣きます……」
 メイドさんの一人がお願いし始めた。

 とろとろにほぐれたオマ×コに挿入する。
 膣壁にこすりつけるように前後させる。
 抜く動きの時にしっかり締め付けてくるのは、望まれている感じで嬉しくなる。

 僕が射精するまでに女の子たちは何度も絶頂してしまう。
 それを望まれてもいるのだけど、身体と精神に負担もかける。

 早く気持ち良く射精できるように遙愛や他の少女が僕を愛撫する。
 僕に触れることは快感をもたらす。
 少女たちの愛撫も自然と激しくなる。

 僕を気持ち良くする方法は遙愛が一番よく解っている。
 他の少女を指導しながら、受け止める少女が耐えきれなくなる寸前で射精させてくれる。

 膣内に射精するときの女の子の気持ち良さそうな様子が好きだ。
 受け止めてくれることに報いられる感じ。
 オチン×ンを抜くと、他のメイドさんがこぼれるミルクを回収してくれる。

 直接搾りにくるお客様たちには手加減もしているが、ここでは本気を出す。
 女の子たちの感じる快感も凄いらしい。ほとんどの娘は動けなく
なる。

 メイド長の沙良羽さんは最後から二番目に僕を搾る。
 もうサポートできるのは遙愛だけだ。

 沙良羽さんは遙愛の次に僕を搾るのが上手だ。
 僕の本気を受け止めてくれる数少ない少女の一人だ。
「ん、あなたの相手をするのはお仕事のためだけではないということを忘れないでくださいね……みんな遙愛さんのようになりたいんですよ」

 遙愛のように僕専用にされることを望んでいる娘は多い。
 そんな思いを抱かせないようにしなければいけないのだけど、難しい。
 僕の方が彼女たちがいないと困るのだから、僕が公平にがんばらなきゃならないのだけど。

 最後に遙愛が僕を搾る。遙愛は他の少女たちと違って余裕がある。
 たぶん昔は一日中僕の相手をしていたのだから、当然だけど。

「ほらほら詞露、もっと気持ち良くなりなさい! 真面目にミルクを出そうとして品質を下げちゃダメなんだから……あなたが愉しむことが大事だって解ってるのにね……んふ、でもそんな所も好きだよ」

 自由な時間でのエッチで出すミルクの方が品質が良くなることも多い。
 それは何か間違えていると思うけど、まだ僕は修行が足りないのだ。

 最後にミルクをまとめて回収するのは遙愛の仕事だ。
 沙良羽さんも手伝えるけど、いつものきびきびした感じではなくなっているのは解る。

☆ 叱ってくれるお嬢様も一緒に

 館に居る少女たちは、ある意味僕のために居てくれている。
 エッチな気分になることを承諾し、それを求めている。

 この館は僕を隔離するための場所でもある。
 そこに居てくれるということは、彼女たちも隔離されるということだ。
 でも、欲しがる人が多いミルクを注がれる可能性もある。

 自由な時間でも一人にはならない。
 女の子を求めたり、求められて応えたりする。
 オチン×ンは休まる暇がない。でも、昔に比べればずいぶん休んでいる。

 何人かの女の子と遊びながらエッチする。
 トランプとか簡単なゲームをしながら、勝った娘を優先したり。
 オマ×コに入れたまま次のゲームを始めると、連続で勝てる娘はあまりいない。

 僕は女の子の中に居る方が落ち着く。
 拘束されていた頃も、一番怖かったのは一人にされた時だった。

 緋映お嬢様が入ってきた。

 お嬢様たちは結構いろいろ忙しい。
 でも、たまに時間があるときは会いに来てくれる。

 僕を咥えていた娘が離れようとする。
「あ、気にしないで続けて。あなたが先だわ」

 緋映様は僕の腕を抱きしめ、僕の指先をオマ×コに押し当てる。
 僕は柔らかなふくらみを揉みほぐし、指先で膣口を探ってゆく。

 昔は女の子を愛撫したりできなかった。
 特別なミルクを出すオチン×ンと、触れることが気持ち良い体でお返ししていた。

 女の子を気持ち良くする技術は好きだ。
 この身体じゃなくても満足させられるくらいにはなっていると思う。

 緋映様は睨むように見つめてくる。
 はっきり責める感じの視線。

「何処かへ行きたいんだって?」
「……ええ」
「あきらめなさい。この館だけだって、望んでも得られないものよ」

「解ってます。でも、想いは消えないんです」
「出会う娘たちを全て満足させることができるつもり? それとも人の居ない所へ行くの? あなたは女の子が必要なのに? それに遙愛さんはどうするの? 彼女にはあなたが必要なのに」

「私と二人だけで、人の居ない所になら行けそうですけど」
 遙愛がのんびりした口調で答える。
 彼女は自由時間は他の娘に譲ることが多い。

 緋映様の眼が一瞬悲しそうな、寂しそうな感じになったように見えた。
「そうね、そうしたいの?」

 遙愛とは離れられない。
 彼女は僕のミルクがないと生きて行けない身体なのだ。

 でも、遙愛だけ?
 お嬢様たちや、お客様たちや、この館の少女たちを、少しの間だけでも捨てて?

 世界を見てみたい気持ちは、誰かに会いたいということでもある。
 人の居ない所も良いけど、寂しくもある。

 目隠しされていた頃は、一番近くに居た遙愛にさえ会っていなかった。
 お嬢様たちがくれた世界はみんなに会える世界だ。
 でも、限界はある。

 ぴたぴたと頬を叩かれる感触で我に返った。
 緋映様が心配そうに僕の顔を覗き込んでいる。

「詞露が考えたって無駄よ。あまりお利口じゃないんだから。あなただけの問題ではないの。希いは解ったから、とりあえずは我慢しなさい」
「……はい」

 緋映様を抱き寄せ、口付けした。
 咥えてくれている少女のお口に射精する。

 緋映様を押し倒し、オマ×コに挿入する。
 この館の少女たちはみんな僕を受け入れることを承諾している。
 お嬢様たちも例外ではない。

 そのまま三回くらい膣内に射精した。
 まだ続けようとして遙愛に止められる。

「詞露、緋映様壊れちゃう」
「あっ!……ごめんなさい!」

 緋映様は動けない。
 いつもどこか怒っているような眼が幸せそうにとろけているように見えた。
「ば、ばかぁ……」

 緋映様のその日の予定はキャンセルになった。
 紅華様に叱られた。
 美赤様はなんだか楽しそうだった。

☆ 初めて会う、初めてじゃない少女に

 その日、お嬢様たちはなんだかおかしかった。
 朝、僕を搾る時も、紅華様は上の空な感じで、緋映様は何かを忘れようとしているかのように激しく、美赤様はいつも通りのようだったけど、挨拶しても微笑んでくれなかった。

「詞露、特別なお客様が来てるから応接室に行って」
 そう言った緋映様は何か覚悟しているかのようだった。

 応接室に行くと、初めて会うお金持ちのお嬢様らしい少女と、彼女のメイドさんらしい少女が居た。

 何か心が騒ぐ。身体が熱い。女の子たちが僕の影響を受けるとこんな感じなんじゃないだろうか。

「初めまして、詞露君。私は明路空(あろあ)。この娘は舞月姫(まつき)。覚えてる?」
「ごめんなさい、覚えてません。どこかで会いましたか?」
 舞月姫さんが少し寂しそうな表情になった。

「ああ、詞露君は目隠しされてたんだっけ。舞月姫は昔、あなたを搾らされていたのよ。あなたのミルクでしか生きられないようにされて」
「……じゃあ、舞月姫さんはこれまでどうやって……」

「私があなたのミルクを買ってあげてたの。舞月姫はあなたに負担をかけたくないから、自分のことを知らせないでって言ってたのよ。あなたのミルクはお高いから、その分私に尽くしてくれてるわ」
「そうだったんですか……」

 舞月姫さんの心遣いはなんだか息苦しく感じた。知らせなかったのは勝手だけど、何故今になって知らせるのだろうか。

「詞露君、遙愛さんとは上手くやってる? 舞月姫は自分にも隠してるけど、あなたが大好きなのよ。あなたを縛りたくなくて身を引くくらい。舞月姫に抱かれると解るわ。私じゃ舞月姫を満たせない。舞月姫が本当に欲しいのはあなた。まあ仕方ないけど、ちょっと悔しいわ」
 明路空さんは可愛く拗ねているように見える。でも、何か怖い。

「私があなたを搾りに来たの。舞月姫の希望じゃないわ。詞露君はいつもしてることでしょ? 舞月姫に触れてはダメよ。この娘は私の愛人なんだから」

 他のお客様と同じだ。舞月姫さんは搾りたてを飲ませてもらえるのだろう。何も問題ない。問題ないはずだ。

 明路空さんが脚を開く。初めてのお客様だから、手加減しないと。こんなに落ち着かないのは何故だろう。たぶん舞月姫さんのせいだ。変な話を聞かされたから。

 挿入すると明路空さんが震えた。
「んっ、舞月姫に見られて、興奮してる? 見たことはなくても、オマ×コの感触は覚えてるかな? こんなに可愛い娘が搾ってくれてたのよ、助け出されない方が良かったんじゃない? んあっ、あ、ちょっと、激しくない? ああっ……」
 明路空さんは舞月姫さんが好きみたいで、だから僕に色々言うのだろう、舞月姫さんもたぶん明路空さんが好きで、でも僕のミルクが必要で……

 僕はあんまりお利口じゃないって緋映様が言ってた。考えても無駄だって。でも、このもやもやした気持ちはどうしたら良いのだろう。

 遙愛に飲ませる分はお金をもらってるわけじゃない。でも遙愛は恋人で、ミルクを出す手伝いをしてくれてる。舞月姫さんは僕が必要だけど、僕のモノじゃなくて……

 何を考えてるんだ? 僕のモノじゃない。当然だ。遙愛だってそうだ。みんな自由だ。僕のミルクが必要なら、買えば良い。遙愛は買えないかもしれないけど、その代わり手伝ってくれて……

「詞露君、いつもそんな難しそうな顔してるの? 私が気持ち良くて、そんな顔になってるの? あん……」
 明路空さんは強い。僕に抱かれて余裕がある。もっと激しくても大丈夫そうだ。

 明路空さんを話せないくらいにしていると、舞月姫さんが近づいてきた。お尻を撫でられた瞬間、意識が飛んだ。射精が始まったことに後から気付く。

「ごめんなさい、詞露さん。明路空様を赦してあげてください。私のせいなの……」
 舞月姫さんは指先だけで、初めて感じる快楽をくれた。オマ×コで僕を搾ったら、これまでで最高のミルクを搾るだろう。

 急いで明路空さんから抜いた。こんなにしたら遙愛だって耐えられないかもしれない。
「んふ、詞露君、私のオマ×コそんなに良かった? 詞露君も良かったよ」
 微笑む明路空さんがちょっと怖かった。なんだかおかしな強さだ。これ以上おかしくなれないから大丈夫なような。

 舞月姫さんが明路空さんのオマ×コを吸い始めた。明路空さんが悶える。僕にされた時より感じているようだ。

 舞月姫さんのオマ×コが揺れている。誘うように。気がつくと挿入していた。

「……舞月姫に触れてはダメって言ったわよね? 舞月姫は高価いわよ」
 止まれなかった。舞月姫さんは気持ち良すぎだ。ただの快楽じゃない。この少女は僕をたまらなく渇かせるのだ。

 僕が周りの女の子たちを発情させてしまうのと同じなのかもしれない。僕を搾る係だったなら、僕を発情させるようにされていたとしても不思議じゃない。だから舞月姫さんは僕に会わないようにしたのかもしれない。

 そんなことを考えることができたのは後のことだ。

 遙愛の膝の上で目を覚ました。舞月姫さんから抜いた覚えはない。僕はやりすぎて気絶したか、眠ってしまったらしい。

「お疲れ様、詞露。今日はお休みよ。ゆっくり休んで」
 どれだけ搾られたのだろうか。性欲がおとなしい。こんなのは初めてだ。

「詞露が落ち着いてる。すっきりしてるね。詞露が幸せだと、私も幸せだよ」
 遙愛は笑顔だ。嫉妬しないのだろうか。今更だけど。

☆ 届かなかった手紙が届いて

 呼ばれて応接室に入ると、お嬢様たちと明路空さん、舞月姫さんが集まっていた。

 明路空さんからの請求書を見せられた。舞月姫さんに手を出したことへの請求だ。高額だった。僕が払える額ではない。

「詞露、これについては私たちは援助しないわ。明路空さんとお話して」
 緋映様が冷たい感じで言う。いつものどこか怒ったような感じが無い。感情を抑えている。

 明路空さんが愉しそうに話し始めた。
「詞露君、あなたのミルクもお高価いけど、舞月姫のお値段も納得してくれるわよね? お金足りないかな? ねえ、あなたのミルクの収益のうち、どのくらいあなたがもらえてるか知ってる? あなたを搾ってくれる女の子たちにも分けて、この館の維持費も出して、それは当然。でも、それでもこのくらいはもらえるはずなんだけど」

 明路空さんが示した金額は今の僕の収入よりかなり多かった。これなら舞月姫さんの分も払える。時々また、舞月姫さんを買うこともできそうだ。

「ねえ、緋映さん、詞露のお金はどこに消えちゃってるのかなあ?」
「消えてはいないわ。詞露には教えてなかったけど、身寄りのない子たちのために使ってる。詞露や遙愛さんのように閉じ込められてた子たちを助け出して、生活できるようにするために使ってるの」

「それなら隠すことないじゃない。喜んで使わせてくれるでしょう。でも、それって寄付みたいなものよね。詞露が止めようと思えば止められるわよね。詞露が借金して、生活に困ってまで、そちらにお金を回せないわよね?」

「そうね、隠していたことも含めて、詞露が望むなら利子をつけて返さなきゃいけないわね。詞露、そうすれば舞月姫さんの分は払えるわよ」
 美赤様が微笑んでくれる。

「えっと、僕のミルクを売ったお金をそういう風に使っていたのはかまいません。でも、何で教えてくれなかったんですか?」

「使い途はともかく、詞露君がこれだけ稼げるってことを隠したかったんじゃないかな。ねえ、詞露君、これだけあれば、何処かに行ったりもできると思わない? この館の女の子たちをみんな連れて、行く場所を借り切って、色々な所に行けるんじゃないかな」
 明路空さんの歌うような声が僕の精神をくすぐった。

「そうね、詞露のこと信じてあげられなかった。ごめんね。ねえ、詞露、これだけ稼げたら何がしたい? 何でもできる、というわけじゃないけど、色々できるわよ」
 緋映様がまっすぐ見つめてきた。

「……まずは舞月姫さんの分を支払ってください。それから、僕がどれだけ助けることができたのか教えてください」
「解ったわ」
 お嬢様たちの冷たい様子は変わらない。僕はまだ何か間違えているのだろうか。

 知ってしまうと止められないこともある。遙愛のこととか、舞月姫さんのこととか。
 お嬢様たちは僕に要らないことを止めてくれていたのだろう。でも、自分がどれだけ助けることができたのか、知ってはいけないのだろうか?

「じゃあ舞月姫の分は払ってもらえるのね。ありがとうございました。詞露君、舞月姫が欲しくなったら言ってね。高価いけど、その収入なら時々は買えるんじゃない?」
 舞月姫さんの近くにいることで、僕は悶々としている。お嬢様たちや明路空さんも僕の影響で発情しているはずだ。舞月姫さんはどうなのだろうか? たぶん影響されているだろうけど。

「詞露、ちょっとつらくなってきたわ。してくれない?」
 紅華様が脚を開いて誘ってきた。珍しい。お客様もいるのに。
「あ、はい……」

 とろとろのオマ×コに挿入すると、優しくしっかり抱きしめられた。
「あなたに助けてもらった子たちは、あなたのことを知りたがるわ。でも、詳しく話せると思う? お金持ちのお嬢様たちに美味しい精液を売って稼いだお金ですって、伝えなきゃいけないと思う?」
「……いいえ」

 美赤様が優しく頭を撫でてくれた。
「伝えたことの受け取り方は人それぞれ。でも、それを伝えなくてもみんな助かるわ。あなたに感謝することもできる。あなたがしていることを知らなくても」

 沙良羽さんとメイドさんたちが大量の手紙を運んできた。
 緋映様が読み上げ始める。
「わたしが今こうして友達と遊んでいるのは、あなたのおかげだそうです。ありがとうございます。ここは近くの森です。綺麗な所です。いつか遊びに来てください……」
 写真を見せてくれた。僕と同い年くらいの少女たちが、森の中で撮ったものらしい。笑っている。良い笑顔だ。

「いいなあ、詞露君はここから出られないのにね。出られないってことはないか。大好きなお嬢様たちに従ってるだけよね」
 明路空さんの笑顔は変わらない。どこか不安をかき立てる。怖いと言って良い。

「明路空さん、ありがとう、僕の世界はまた広くなりました。この笑顔が見られたのは凄く嬉しい」
 写真の娘たちの笑顔のことだ。本当だ。凄く嬉しい。

「どういたしまして。いつか遊びに行ってあげたら? きっと喜ぶわよ」

 笑顔を作ったつもりだったけど、少し歪んだかもしれない。紅華様がきつく抱きしめてきて、キスで唇を塞がれた。

 激しく動いてしまったのは、僕を発情させる舞月姫さんの影響のせいだろう。きっとそうだ。

☆ 調子に乗ってはいけない僕が

 明路空さんと舞月姫さんはそれからも時々来た。明路空さんが僕を搾るために、お客様として。

 舞月姫さんに手を出すのはなんとか我慢した。その分、お嬢様たちや館の少女たちを貪ってしまった。舞月姫さんに会うと、僕は異常に発情してしまう。遙愛も受け止めきれないくらい。

「詞露、手紙よ」
 部屋に美赤様が来てくれた。挿入し、膝の上に座らせる。準備は要らなかった。僕の影響を受けて発情している。してあげないとつらいはずだ。

「んっ……今月は少し少なくなるそうですね。私たちは大丈夫です、安心してください。私たちにできることはないでしょうか? エッチのお相手ならできます。そういう場所で育てられたんです。でも、きっと素敵な恋人がいらっしゃるのでしょうね。変なことを書いてごめんなさい。みんなあなたを夢見ています。お会いしてお礼が言いたいです。ありがとうございます……」

 美赤様を突き上げながら、この手紙を書いてくれた娘たちを思う。今月分が少ないのは、舞月姫さんの料金を支払ったからだろう。舞月姫さんは凄く気持ち良い。でも、この手紙の娘たちを安心させる方が良い。もちろんそうだ。そのはずだ。

(いつか遊びに行ってあげたら? きっと喜ぶわよ)
 明路空さんの言葉が頭の中で反響した。

(そういう場所で育てられたんです……お会いしてお礼が言いたいです)
 この手紙をくれた娘も、僕や遙愛、舞月姫さんのように、エッチなことのために囚われていたのだろう。会って、発情させてしまっても大丈夫かもしれない。発情させなくてもエッチさせてくれるだろう。

 でも、彼女は今、囚われていない。僕に会って、エッチしたら、この館に閉じ込めてしまうことになるかもしれない。

「美赤様、この娘に会いに行ってはいけませんよね?」
「館から出てはいけないことになってるわよね。呼び寄せる? きっと喜んで来てくれるわよ。そして帰れなくなる。彼女はお客様たちのように時々詞露を買いに来る余裕はないわ」

「詞露に抱かれるには、高価な料金を払うか、この館に仕えてミルクを出すお手伝いをするしかしかないわ。お客様たちの中でも、あなたのお手伝いを希望している娘も多いのよ。それが許されない立場だから我慢してるお客様も多い」

「僕に抱かれることを望むなら、この館のメイドになればいい。この娘にはできないんですか? ここに住めないわけでもないみたいだけど」

「あっ、んんっ……できるでしょうね。あなたのことを知ったら、ここに来てあなたの手伝いをしたがるでしょう。知らなければ、このまま、あの綺麗な森の中で暮らせるわ」

 送ってもらった写真の中で、彼女は笑っていた。僕が行けない綺麗な森の中で。教えない方が良い。あの森に帰れなくなる。あの笑顔もたぶん違う笑顔になる。

 でも、僕に会ったらどんな笑顔に変わるのだろうか。きっと笑ってくれるだろう……

「んっ……詞露、激しいわ、私じゃ受け止めきれないかも……でも良いのよ、あなたに抱かれるって、望んでもできない娘も多いんだから……」
 なんだかもやもやしたものを美赤様にぶつけてしまっていた。すぐに止めるか、もっと優しくしなければいけないんだけど、ちょっと迷ってしまっていた。

「詞露、詞露! ダメ! 放してあげて!」
 遙愛の声が聞こえてきた。僕はどうしていたのだろうか。美赤様がぐったりしている。慌てて解放する。

 射精を続けていたらしい。美赤様から抜けた瞬間、射精が止まる。女の子の中でないと射精できないのだ。いきなり止まるのは苦しい。でも、美赤様に酷いことをしてしまったのが解る。彼女が望んだとしても。

「んふっ、ふっ、ふぁっ、抜いちゃらめ、もっと、んあ……」
 あの冷静な美赤様の理性が融けている。この状態は知っている。目隠しされて拘束されて搾られていた時も、時々こうなってしまう娘がいた。あの頃は止めてあげることができなかったのだけど。

「美赤様、大丈夫、大丈夫ですよ、はい……」
 遙愛が流れ出るミルクを含み、口移しで飲ませる。ちゅうちゅう美味しそうに飲んだ。無邪気な表情。

 しばらくして、美赤様はなんとか戻った。戻れなかった娘もいたような気がする。目隠しされていた頃のことはよく解らないけど、遙愛は知っているだろう。訊かなければならない気がした。

 遙愛と二人きりになった時、いきなり頬を打たれた。
「詞露、あなたはもう縛られて動けないわけじゃないのよ! 目隠しされて見えないわけじゃないの! 止めなきゃいけないの!」

 怖い。でも訊いた。
「遙愛、僕はどのくらい女の子を壊してしまったの?」
「……たくさん。なんとなく覚えているだけでも十人以上。数えてはいなかったわ。でもね、あなたはもっと助けてる。あの手紙の方がずっと多いわ」

 遙愛に押し倒され、優しく包まれた。気持ち良い。僕はこうしていないと苦しい。でも今は自分からはできなかっただろう。

「……ありがとう、遙愛」
「私をパートナーにして正解だったでしょ? 詞露、幸せになってね。それが私の希いだからね」

☆ 我慢すること、させないこと

「詞露、あなた、我慢を覚えなきゃ。解るわね? 美赤を壊しかけた罰でもあるわ。お客様にもお休みをいただいたわ。一日、女の子に入れるのを我慢しなさい」
「解りました。申し訳ありませんでした」

 朝、お嬢様たちの分を届けに行った時のことだ。いつものように搾ってももらえない。朝は溜まっている。苦しい。

 助け出されてしばらく、搾ってくれる女の子はいなかった。一日くらい我慢できるはずだ。
 でも、やっぱり苦しいけど。

 部屋に戻ると、遙愛がミルクを飲んでいた。彼女が飲めるのは最高級の僕のミルクだけだ。他の物は身体が拒否する。
「遙愛、それ、売り物?」
「ええ、私が搾った分だから、最高級品。高価かったわ」
「僕が払うよ」
「何言ってるのよ、私だって一日くらい大丈夫よ? これは私が勝手に飲んでるの」

 遙愛に触れたいのを我慢する。遙愛も我慢しているのが解る。わざわざ高価なミルクを買ったのは、僕を押し倒さないようにするためだろう。

 悶々としながら、手紙を読んで過ごした。僕のお金で、いつの間にか助けていた娘たちの、感謝の手紙の山。まだ読みきれていない。
(外国語を勉強しています……知らない国からのお客様を案内できるように……)
(写真を撮り始めました……この辺りの風景を送ります……写っているのは妹です、可愛いでしょ? 一緒に助けられました……そっくりだって言われます……でも妹の方が可愛いですよ? だから私は写真を撮ります……)
(まだみんな、あなたに助けられているけど、いつか私も……)

 涙が溢れてきた。嬉しい。でも、どこか寂しい。この娘たちには会えない。そこに行けない。この娘たちのようには暮らせない。知らされなかった訳が解る気がした。

「ちょっと悔しいな。会いたい?」
 遙愛が頭を撫でてくれた。抱きしめそうになって、慌てて退いた。
「うん、会いたい……でも、まだダメだ」
「そうね、いつか会えるかもね」
 いつか。その日が来たら。

 遙愛に撫でられて、ちょっと苦しい。我慢が難しくなる。
 ノックの音がした。応えると、お嬢様たちとメイドさんたちが大勢入って来た。この館の全員かもしれない。

「詞露、今回はあなたへの罰だから、我慢してね。でも、私たちが我慢させられるのはあなたのせいよね?」
 お嬢様たちがスカートをめくり上げる。下着はつけていない。オナニーし始める。

 緋映様が遙愛を押し倒した。紅華様と美赤様が抱き合ってキスしている。メイドさんたちも絡みあい始める。

 僕は一人だし、彼女たちは大勢だ。いつもよく互いに慰め合っている。でも、僕が放っておかれることは無かった。

 今は我慢しなければならない。試しに自分でしごいてみた。気持ち良くない。
 どうやってか、僕は女の子の中でしか出せないようにされているのだ。
「詞露、それ、目に毒……」
「誘ってるの? 私たちが我慢できなくなれば、してもらえると思ってる?」

「あ、ごめんなさい……自分で出せれば、みんなに頼らずに済むのに……」

 ごん! と衝撃が響いた。
 緋映様に殴られた。痛い。かなり。
「バカ、バカ詞露! 一人で閉じこもってオナニーしていたいの? 私たちよりその方が良いの?」
 いつもどこか怒っているような緋映様だけど、いつもの怒り方と違う。

「女の子が必要なんでしょ? 特別な身体にされて、女の子がいないと辛くて、いくらでも虜にできるのに、私たちに従って、閉じ込められることに従って……行きたいなら行けば? 私たちが邪魔なら、壊せば? 壊さなくても従わせることもできるでしょ?」

「あなたのお金、勝手に使ってたのに、なんで怒らないの? 善いことしてたから? 手紙が嬉しかったから? そうじゃないわよね、私たちがしてたから、でしょ? あなた、私たちの奴隷?」

 緋映様がこういうことを我慢していたのは、なんとなく解っていた。
 言われたことへの答えも、解っているような気がする。でも、どう説明して良いのか解らない。

「緋映様、僕、あまりお利口じゃないから解りません。でも、ありがとうございます」
 緋映様にキスした。怒ってくれたのが嬉しい。

 キスしたまま、指でほぐした。僕は何をしていたのだろう。触ることは禁じられていないのに。

「僕もお嬢様たちも、みんなも、互いに奴隷で主人だと思う……でも、お嬢様たちだけが、きちんと主人だった。僕は奴隷なだけだった。それだけじゃ、いけないのかも……」
「また変なこと考えてるのね……あんまり考えないの。お利口じゃないんだから。ああん……」

 緋映様の怒りが融けている。融けて欲情になっている。オマ×コにキスした。女の子を気持ち良くするのは好きだ。今は搾られながらじゃない。かえって思う存分できた。

 緋映様を何度か絶頂させて一息つくと、みんな互いに慰めるのを止めていた。僕を待っている。

 オチン×ンははちきれそうだ……でも、愛撫に集中していれば時間は過ぎるだろう……こんな感じでできるのは、今日だけかもしれない。

☆ 恋人は優しく

 一日我慢した次の日は、大変だった。

 僕が我慢するほど、周りの女の子も我慢できなくなる。一晩中、みんなを指や舌で慰めた。
 やがて、約束の一日が終わった。次の日の朝。
 朝一番のミルクはお嬢様たちのモノだ。

 他の女の子たちの、羨ましそうな様子が凄い。でもお嬢様たちも遠慮しない。

「食堂に移りますか?」
 そう訊いた僕が一番冷静だったのかもしれない。

 お嬢様たちに押し倒された。三人の唇が同時に吸い付いた。

 僕も我慢できなかった。緋映様の唇に包まれた瞬間、射精が始まった。
「んっ、ふーっ、んんっ……ふーんん……」
 お口を離さない。貯めきれる量ではない。ゴクゴク飲んでいる。激しい息づかいがお腹をくすぐる。

 緋映様が溺れる前に抜いた。すぐに美赤様が吸い付いてきた。紅華様は緋映様に口づけしてミルクを吸い取っている。

 美赤様が咥え込むと、また射精が始まった。お口から抜かれたから、一時的に止まっただけだ。こんなに我慢しても、女の子の中じゃないと射精できないのだ。

 美赤様の鼻孔からミルクが垂れてきた。呼吸を忘れそうになっている。角度を調整して、食道に注ぎ込んだ。普通なら咳き込むだろう。

 美赤様の限界まで注いで、抜いた。まだ出し切っていない。抜いた瞬間止まるのがもどかしい。

 紅華様が吸い付いてきたのか、僕が突き込んだのか解らなかった。また射精が始まる。舌を使おうとしているのが解る。その余裕は、緋映様が搾ったミルクを味わっていたからだろうか。でも、すぐ限界がきたのが解る。

 紅華様から抜いても、出し切れていなかった。もうお口では受けられないようだ。
 緋映様のオマ×コに入れて射精の続きをする。朝一番はお嬢様たちのモノだ。

「あっ……あはっ……んー、ふー……」
 すぐに限界が来たのが解った。緋映様の精神が壊れる前に美赤様に移る。
 三人のお嬢様の限界まで注いでも、出し切れていなかった。

「詞露、後でお嬢様たちにお返しするから、私を使って」
 遙愛がオマ×コを開いて待っていた。抱きしめて挿入する。

 遙愛が居てくれて良かった。受け止めてくれる娘が必要だ。僕のオチン×ンに負けない女の子が必要だ。

「あん、詞露、やっと少し戻ってきたね。ずっと我慢させてごめんね、んんっ」
「我慢したのは昨日一日だけだよ、僕のせいだし」
「違うの、昔の詞露はもっと凄かったの。この館に来てから、女の子が壊れたこと無いでしょ? ずっと我慢して、手加減してるわ。少し、昔の詞露の強さに戻ってきた。舞月姫のおかげかな。悔しいけど」

 少し思い出した。目隠しされて縛られて、搾られていた頃のこと。何故、僕には目隠しと拘束が必要だったのか。逃がさないためじゃなかったのかもしれない。

 昔の自分が何を考えていたのか、よく思い出せない。ただ渇いていたような気がする。搾ってくれる女の子はたくさんいたのだけれど。そう、僕を扱うためには、たくさん必要だったのだ。

 なんだか身体の奥が熱い。遙愛が言うように我慢していたのだろうか。我慢できるなら抑えなければいけない。いや、そうなのか? 少なくとも遙愛なら受け止めてくれるはずだ。いや、ダメだ。他の娘にもしてしまうだろう……

「……詞露、なんで優しくなっちゃったんだろうね? それは良いことなんだけど……そう、優しくならなきゃ、生きていけないもんね」
 遙愛の優しい声は、僕を責めない。
 僕がやりすぎそうになったら、止めてくれるだろう。美赤様を助けてくれた時のように。

「ごめんね、遙愛」
「何? なんで謝るの? おかしいよ……」
 その通りだ。昔に戻る必要なんてないのに。今の方が良いのに。

☆ 届いていないラブレターの返事を心配すること

 僕が壊してしまった女の子たちを捜そうと思った。まだ生きているなら。

 自由な今は、手加減することもできる。昔はできなかった。
 だから仕方なかった? そうなのだろう。でも。

 お嬢様たちに相談すると、まず緋映様に訊かれた。
「詞露、アル中の人にお酒が会いに行って、良い方向にできると思う?」

「思いません。でも、必要なものが足りなくても人はおかしくなります。もしかしたらだけど、十分にあげられなかったから、かもしれない」

 美赤様が面白そうに微笑む。
 紅華様に真面目な顔で訊かれた。
「詞露、壊れちゃった娘を助けられるかもしれないと思ってる?」
「……少しは。何もできなかったら、苦しくなるだろうけど……でも、お礼が言いたい。聞こえなくしてしまった、のかもしれないけど」

「そう、あなたのためなら良いわ。費用は当然あなた持ちよ?」
「すみません、僕が援助していた分を使ってください。手紙をくれる娘たちには申し訳ないけど……」
「そうね、でもあなたの自由よ。あなたが決めること」

 次の日の朝、お嬢様たちの分を搾ってもらっている時、沙良羽さんが新着の手紙を読んでくれた。僕が援助していた女の子からの手紙。

「また少し、少なくなるそうですね。嬉しいです。あなたが自分のために使うとしても、誰かのために使うとしても、嬉しいです」

「助けてもらわなくなっても、手紙を書いて良いですか? ラブレターを書きます。今は書けないんです。お礼の手紙になってしまいます」

「あなたが男性だったら、誘惑できるかな。少し自信はあります。女性でも誘惑できるかも……でも、今はできません。いつか……」

「遠くに居る女の子も虜にするのね」
 先端を含んで舐め回していた緋映様が、いつもの怒った感じで言う。オチン×ンに話しかけているかのようだ。
 安心する。怒っていると言うのは違うのだろう。これが緋映様の普通なのだ。

「この娘がラブレターをくれたら、どうすれば良いのかな?」
 何となくつぶやいてしまった。

「恋人がいるからごめんなさい、に決まってるでしょう?」
 紅華様が笑った。その通りだ。
 紅華様の笑顔と、緋映様の怒り顔にオチン×ンが挟まれる。気持ち良い。

 紅華様の言う通りだ。僕には遙愛という恋人が居る。
 でも、遙愛だけ?

「僕の恋人は遙愛……お嬢様たちは? 他のメイドさんたちは? 恋人じゃ、ない?」

「さあね? 詞露、あなた、そんなことも解って無かったの? んんっ……」
 美赤様が激しく吸い始め、僕のミルクが解放された。

「美赤様のことも、恋人って言っても良いのかな? 緋映様も、紅華様も、沙良羽さんや他の娘たちも」
 僕の言葉で、美赤様の口内が震えた。出し終えるまで震えていた。抜くと紅華様が頬張る。

「でも、遙愛さんとは違うのでしょう?」
 沙良羽さんの口調は拗ねている。

「うん、でも、恋人が居るからごめんなさい、って言ってたら、遙愛だけになっちゃうと思うんだけど」

「お嬢様たちは詞露さんの保護者で上司、私たちはミルク搾りのために雇われている使用人です。恋人と呼ぶとか、期待させないでください」
 沙良羽さんが赤くなっているのは、僕の傍に居て、発情させられてしまっているからだろう。でも、いつもとは違うような。

「うん、ごめんなさい。みんな大好きだけど、みんなを恋人って呼んだらおかしいよね」

「だから、期待させないでって言ってるでしょ? ああ、もう、嬉しくなんかないわよ? このっ!」
 緋映様はそう言って唇にキスしてきた。
 ミルクが紅華様のお口の中で迸った。

☆ 聞きそびれたこと

 お嬢様たちに、僕が壊してしまった女の子たちを探してもらうように頼んだ。
 その次の日。

 明路空さんがまた、お客様としてやってきた。
 メイドの舞月姫さんも一緒だ。

 明路空さんはかなりのお得意様らしい。
 直接搾りに来るようになったのは最近だけど、ずっと僕のミルクをたくさん買ってくれていたそうだ。
 舞月姫さんのためだけとは思えない量だ。誰のためなのだろうか。

「んふ、詞露君も余裕がでてきたわね。舞月姫が近くに居ることに慣れてきたかな? あん……」
 明路空さんはお口ではなく、オマ×コで僕を搾る。舞月姫さんに飲ませるためだ。
 僕は舞月姫さんの影響で昂ぶってしまうけど、確かに慣れてもきた。

「明路空さんは僕のミルクを飲まないのですか? たくさん買ってもらっているらしいけど……」
 明路空さんがお口で僕を搾ったことはまだ無い。搾り役のメイドさんならともかく、直接搾りに来るお嬢様では、他にいない。

「んっ……知りたい? ねえ、女の子を探してるんだって? あなたを搾りすぎて壊れちゃった娘たちを」
「ええ、そうですけど……」
 お嬢様たちに聞いたのだろうか。

「私が保護してるわ。たぶん全員。みんな、食物はあなたのミルクしか受け付けなくなってる。舞月姫や遙愛さんのようにね」
「じゃあ、ミルクをたくさん買ってもらってたのは……」

「あんっ……ちょっと、少し優しくして……ええ、その子たちに飲ませてあげるため。でも、十分な量じゃないわ。私でも、あなたのお高いミルクを、そんなにたくさんは買えないわ。この前、舞月姫に手を出して、お金を払ってくれたわよね? あの時は、少し増えたわ。みんな喜んでた」

 舞月姫さんを見た。彼女は眼を逸らした。
 僕を誘惑したのは、わざとだったのかもしれない。

「あんっ……詞露君、ずいぶん手加減無くなってきたわね……私は大丈夫だけど、他の娘は壊れちゃうかもよ? ねえ、壊れちゃった娘たちに会わせてあげましょうか?」

 言葉が出てこない。
 明路空さんの、どこか怖い感じの正体を見たような気がする。
 でも、それが何なのか、やっぱり解らない。言葉にできない。
 僕のどこかが理解を拒んでいるような。

「……はい、会わせてください」
 それは決めていた答えを、どうにか声にしただけだった。

 僕の動きは止まらない。
 明路空さんのオマ×コに、できるだけ気持ち良く射精する。
 それが今、僕のすることだ。
 拘束されていない今だから、こうして動くことができる。

 明路空さんが抱きしめてきた。
 オマ×コもリズミカルに締め付けて、僕を搾ろうとする。
 理性を失っていないことも解る。

 こんなにエッチに強いのは、遙愛と舞月姫さんと、明路空さんだけだ。

 遙愛と舞月姫さんは、昔、拘束されていた時、僕を搾る係だったらしい。
 組織が摘発されて、みんな助け出された。

 僕と遙愛はお嬢様たちに保護された。
 舞月姫さんは明路空さんに保護された。
 僕が壊してしまった女の子たちも、そのとき明路空さんに保護されたのだろう。

 明路空さんは、ただのお金持ちのお嬢様なのだろうか?
 僕や遙愛、舞月姫さんがエッチに強いのは解る。
 明路空さんは何故?

「詞露くーん? じゃあ、連れてくるね。紅華さんたちにも許可をもらってね。詞露君はこの館から出られないから、連れてきてあげる。サービスよ」
 明路空さんの声で我に返った。

「ん、嬉しくないの? あなたが望んだことなのに」
「あ、ありがとうございます!」

 明路空さんにキスして、言葉を遮った。
 これ以上何か聞くのが怖かった。

 そのまま明路空さんの膣内で射精するまで、唇を離さなかった。
 明路空さんの舌は甘いクリームのように美味しい。

 僕をお口で搾らない理由を聞きそびれたことに、後から気付いた。

☆ 思いだそうと思うこと

 僕のミルクは、美味しいだけでなく、身体に良いらしい。
 それを飲むと、女の子たちは健康に、美しくなる。若返りや治療にも効果があるらしい。

 昔、僕や遙愛、舞月姫さんが囚われていた場所は、性奴隷を扱う組織だった。普通は、エッチなことが目的だ。
 でも、僕のミルクはちょっと違う。違った。

 お嬢様たちは昔、ただ美味しく、身体に良い飲み物として、僕のミルクを買っていたらしい。それが精液だとは知らなかっただろう。

 搾られるのは気持ち良いし、エッチなことだけど、ミルクを買うだけのお客様には関係無い。
 僕を搾るエッチは、ある意味危険なことだったから、お客様に提供できるものではなかっただろう。

 性奴隷として売られるはずだった女の子たちが、より高く売れる僕のミルクを搾る役になった。そして、何人かが壊れていった。普通より快楽に強いはずの女の子たちが、一種の中毒になり、精神がおかしくなっていった。
 拘束され、目隠しされていた僕には、どうにもできなかったけど、そういう娘がいたのは解った。

 僕を搾らせるだけなら、精神が壊れていても、かまわないような気もする。でも、何故かそういう娘の気配は消え、新しい娘の感触が増えていた。見たことはなかったけど、解った。

 今日はお休みをもらった。
 昔、拘束されていた頃、僕が壊してしまった女の子たちに会うために。

「詞露さん、明路空様がいらっしゃいました。女の子たちを連れて来てくださいました。広間です。気をつけて、無理しないでくださいね?」
 沙良羽さんは心配そうだ。僕は危険なことをしているのだろうか?

「詞露、あなたが壊したんじゃないわ。あなたはどうにもできなかったのだもの」
 遙愛も心配してくれる。遙愛は僕が言わなくても、解ってしまう。
 僕を上手に搾ることができるのは、そのせいかもしれない。

「ありがとう遙愛、そうだね」
 僕はそう思ってはいない。嘘をついた。

 やっぱり、僕が壊してしまったのだと思う。
 その思いも遙愛には解ってしまうだろう……

「そうよ、大丈夫よ。今、あなたは、たくさん助けてるのだから」
 遙愛は優しく、急がない。僕の嘘が解るのだろうけど、責めない。

 僕の気持ちだって変わるかもしれない。
 ゆっくり待ってくれる。

 広間に入った。
 明路空さん、舞月姫さん、お嬢様たちが居る。

 そして、椅子に拘束され、目隠しされた少女たち。
 美しいドレスは、明路空さんが用意したのだろう。
 僕に会うために。

「詞露君、お待たせ。連れて来たわ。この娘たちよ」
 明路空さんの笑顔はやっぱりどこか怖い。

「ん、んんっ? ふぁ、ああっ?」
 目隠しをした少女たちが、一斉に僕を見た。

 僕の傍に居ると女の子たちは発情してしまう。
 その影響力は、目隠ししても解るだろう。

 僕を覚えていてくれたようだ。

「ん、んんっ、んー! あっ……ああ……」
 拘束された身体をよじり、僕に近づこうとしている。
 唇は解放されているが、言葉は発しない。舌を伸ばしてくる。

「ねえ、どう? 会えて嬉しい? 何がしたかったの?」
 明路空さんの笑顔の裏に、怒り顔が見えたような気がする。
 緋映様や遙愛が怒ってくれるのとは違う。これは何だろう?

「ありがとうございます、この娘たちに触れて良いですか?」
「ダメに決まってるじゃない。あなたのモノじゃないわ」
 その通りだ。

 この館の少女たちのように、僕を受け入れる約束をしている訳でもない。
 この館の少女たちも、僕のモノじゃないし……あれ?
 なんだか違和感。

「明路空さん、その娘たちはあなたのモノ?」
 紅華お嬢様が訊いた。

「いいえ。でも、そうね、私が世話しなかったら、生きていけないでしょうね。詞露君のミルクを買ってあげないと」

「詞露のミルクをサービスするわ。搾りたてよ。そのために触れさせてあげてくれない? それで良いわよね、詞露?」
 紅華お嬢様の提案を、何故、僕は思いつかなかったのだろう。

「ダメよ。危険だわ。ねえ、詞露君、自分が毒を持つ生き物だって解った? 触れようと思うなら、勝手に触れれば? 私を、後から黙らせる自信は無い? 私もこの娘たちみたいにしちゃえば、大丈夫よ」
 明路空さんは楽しそうに笑った。

 今の僕では、明路空さんは壊せないだろう。たぶん。
 明路空さんは不思議なほどエッチに強い。

 彼女たちに触れたら、どのくらいのお金を取られるのだろうか。
 お金では許されないかもしれない。

「明路空さん、ありがとうございます。この娘たちに会わせてくれて。お礼に、僕のミルクを搾っていきませんか? 今日はサービスです」

「あら、本当に私を壊すつもり? いいえ、そうじゃないわよね。詞露君はそんな悪いこと考えないもんね」
 明路空さんはスカートの裾をつまみ上げた。
 下着は着けていなかった。

 考えない訳じゃない。
 望まない娘を落としてみたいと思うこともある。
 この館から出たいと思うこともある。
 僕はそんなに良い子じゃない。たぶん。

 拘束を引きちぎろうとするように、身をよじる少女たち。
 昔、拘束されていた頃の僕も、こんな感じだったのかもしれない。

 でも、今の僕は目隠しも拘束もされていない。
 いつかこの娘たちも……

 いつか? いつかって、いつだ?
 もう会えないかもしれないのに。

「詞露くん、じらしてるの?」
 明路空さんの声はもう濡れていた。
 僕を待っている。

 明路空さんを抱きしめ、挿入する。
「んっ……この娘たちに目隠ししておいて良かったわ」

 いつものように、僕が気持ち良くなるように動く。
 でも、今はそれだけじゃダメだ。

 女の子を壊してしまった、そのやり方を思いだそうとする。
 あの頃の僕……あんなに女の子の感触に包まれていたのに……
 足りなかった……我慢させられたことなんて、なかったのに。

 お腹の底の方から、何かが湧き上がってくる。
 いつの間にか、深く深く押し込めていたモノ。
 押し込めて、忘れてしまう必要があったモノ。

「詞露くん、思い出した? また、拘束が必要かな。んっ……あっ、あっ、うあっ!」
 明路空さんの余裕が消えた。

「しっ、詞露! 止めて!」
 緋映様はそう叫んだけど、座り込んだまま動けない。
 僕が邪魔されたくないから。

「目隠しされて、拘束されて飼われるのにも、飽きたんでしょ? この館で緋映さんたちに飼われるのも、そろそろ飽きてこない? まだ自分を閉じ込めていたい? あ、んぐっ……」
 明路空さんはまだ余裕があったみたいだ。
 素直に感心した。射精を解放する。

「詞露、昔とも違うね。当たり前だけど。頑張って」
 遙愛が後ろから抱きしめてきた。
 動けるみたいだ。さすがだ。

 でも、僕を止めようとはしない。
 僕のことが、僕以上に解る遙愛が、止めようとしない。

 遙愛は、僕の首筋に優しく腕を回す。
 安心する。
 やりすぎたら、止めてくれるだろう。

☆ 泣かせてしまったこと

「んっ、んあっ、詞露君、本気ね。私を壊すつもりね。女の子の精神を壊すのは、得意だもんね。あんなに壊してきたんだもの」

 明路空さんが連れてきてくれた娘たちは、椅子に拘束され、目隠しされている。
 僕が昔、拘束されていた頃、壊してしまった女の子たちだ。何人いるのか、まだ数えていない。

「明路空さん、うまくいかなかったらごめんなさい。壊しちゃった精神を治せるか、試したいんです。明路空さんを壊して、治せなかったら、ずっと僕がお世話します。あの娘たちも」
 何故治せると思ったのか、自分でも解らない。
 僕のミルクは薬にもなるらしいが、精神には効かないかもしれないのに。

「そんなの当たり前よ、んふ、でも、私を壊せると思うなんて、生意気ね。まあ、詞露君なら自信を持って当然だけど」
 そう、明路空さんはエッチに強い。不思議なほど。

 やりすぎると、精神が壊れてしまうことがあるような、僕のエッチの方が不思議なことなのかもしれない。
 でも、そのエッチを余裕で受け止める明路空さんは、もっと不思議なのだ。

 お金持ちのお嬢様なのに、特殊な性奴隷だった僕を余裕で受け止める……何故なのだろう。

「詞露、どうして、明路空さんで試すの? 私たちなら、簡単に壊せたのに……」
 美赤お嬢様がのつぶやきは、いつものように感情を抑えていたが、悲しそうに聞こえた。

 お嬢様たちは僕を止めようとするだろう。できるなら。
 今は、動けなくなっている。

 僕の、発情させる影響力のせいのようだ。邪魔されたくないから、動けなくしている。精神を壊さなくても、邪魔されないようにすることができるらしい。いや、できるようになったようだ。

「詞露、がんばって。後で一緒に、いっぱい怒られよう」
 遙愛は動けるみたいだ。僕専用にされただけのことはある。
 僕の首筋に廻している手は、やりすぎたら止めてくれるためだろう。

「ん、詞露君、なかなかよ。でも、私は壊せないわ。快感を受け止めきれない娘たちは、その先を知ることはできないけど、私は知りたかった。毒を愉しむなら、それ以上に強くなれば良いの」
 明路空さんが強くなった理由は、自分の快感のためらしい。納得できなくもない。
 でも、何か違う気がする。それならもっと素直に僕を受け入れるような気がする。

 オマ×コから抜き、明路空さんのお口に入れた。初めてだ。
 噛まれた。噛み切ろうとする力だ。
 でも、僕のオチン×ンは平気だった。気持ち良くて、射精が始まってしまった。

 思い出した。
 精神が壊れた娘に、こうして噛まれたことがある。
 大丈夫なように強化されているのだろう。

 明路空さんは飲まなかった。
 僕のミルクをお口に注がれて、飲まないように我慢できる娘はいなかった。ちょっと寂しい。
 でも、それなら舞月姫さんに分ける分も、お口で搾ってくれても良かったのに。

 飲ませてみたくなった。
 深く挿入し、喉奥に先端を差し込む。
 食道に直接注ぐやり方は知っている。

 また噛まれた。強い。
 あの明路空さんが、ちょっと焦っているようだった。可愛いかった。
 噛まれるのが気持ちよく、射精は心地よかった。

 明路空さんが僕のミルクを飲み下す。
 僕が無理やり注いでいる。

 望まれないのは初めてかもしれない。
 望まない娘に無理にしてみたいと思ったこともある。でも、そんな娘はいなかった。僕に会ったら、みんな求めてくる。

 やってみて解った。心が痛む。僕には向かないのだ。
 女の子たちが壊れなくなった訳が解る。僕が止めたのだ。

 身体が震えてきた。何か怖い。
 僕は、初めて自分から、女の子を壊そうとしたのだ。

「詞露! ちゃんと見なさい! 今は目隠しされてないでしょ?」
 遙愛の声で我に返った。そうだ。明路空さんを見る。
 身体の震えは止まっていないけど。

 明路空さんはもう噛みついてきていない。
 僕を睨む目は、理性を失っていないように見える。

 お口から抜こうとすると、しっかり吸い付いてきて舐めあげられた。
 僕のミルクを味わっている。

「無理やり飲ませたわね……私が嫌がってるの解ったわよね?」
「ええ、ごめんなさい……」
 明路空さんの目から涙が溢れていた。
 僕は何をしてしまったのだろうか。

「この娘たちに、あなたのミルクをサービスするから、触れさせてって言ってたわよね? 良いわ、飲ませてあげてくれるなら、いくらでも触れなさい。抱きなさい」

 明路空さんを壊すことはできなかった。たぶん。
 でも、目的は達したみたいだ。
 壊してしまった娘たちに触れることは許してくれた。

「ありがとございます……」
 お礼を言っていいのか迷った。

 明路空さんの、どこか怖い微笑みが消えていた。
 何かを壊してしまったような気がした。

☆ 怯える目、睨む目

「詞露、お許しが出たわ」
 遙愛に促されて、明路空さんから離れる。
 拘束された少女たちの方に向かう。
 昔の僕が、精神を壊してしまった娘たち。

 少女たちの拘束と目隠しは、昔の僕と同じだ。
 自分を抑えられないからだろう。
 逃がさないため、だけじゃない。

 彼女たちが、静かになっていることに気付いた。
 息を潜め、どこか怯えているようだ。

「詞露から逃げられないようにしてくれてたんだ。明路空さんも解ってたのかな」
 遙愛のつぶやきは、僕に何かを伝えるためだろうか。

 昔、目隠しされて縛られていた頃、この娘たちの感触は、いつの間にか消えていた。
 それは、僕や他の娘を害さないために、引き離されたのかと思っていた。

 違うのかもしれない。
 もしかしたら、彼女たちは今のように、僕が怖くなって、搾り役ができなくなったのかもしれない。

「ごめん、待たせた」
 目隠しされた頬にキスした。ゆっくりと唇に寄せてゆく。
 少女は抵抗しない。できないのだ。あまり動けなくなっている。

 お嬢様たちも、今、動けない。
 僕に触れた娘が、時々こんな感じになる。
 快感に耐えられないのだ。

 近づくだけで発情し、触れると快感が走るという僕の身体。
 今は触れなくても、近くに居るだけで、快感に耐えられないようだ。

 この娘たちは、快楽に弱かった。苦しいだろう。動けるなら、逃げようとするかもしれない。

 快楽を与えることはたぶん得意だけど、そこから助ける方法は……

 僕は少女の目隠しを外した。
「あ……」
 怯えた瞳が僕を見る。初めて声を聴いた。

 僕の眼を見るのは初めてだろう。昔は目隠しされていた。今、彼女の眼も見えた。

 今の僕にできる、最高の笑顔を作ってみる。まだ練習中だけど。
 無理する必要は無かった。
 やっと会えた。嬉しい。笑顔がこみ上げる。

「ごめんね、怖いよね……今の僕は、縛られてないし……なんだか、動けなくしちゃってるし……だけど、だから、僕が注ぐよ」
 搾られるだけだった昔と、少し違うこと。

 望まない娘に注ぐのは、明路空さんに次いで二人目だ。
 ああ、そうか、僕は不精者だったのだ。

 望まれることに慣れすぎて……望まれて注ぐのは、違うのだ。
 これまで、待っているだけだった。

 慣れない僕は、間違えるかもしれない……ぶつかることもあるだろう……お嬢様たちにも、怒られるだろう……

 でも、緋映お嬢様が怒っていたのは、これだ。
 世界を見たいと言いながら、ただ待っていたこと。

 少女の唇にオチン×ンを含ませる。
 奥まで入れても咳き込んだりしないのは、不思議なことらしい。僕が慣れていることと、僕の身体が特別なせいだ。

 美味で薬効を持つミルクは、僕が気持ち良いほど上質になる……僕次第で変わる……目隠しされて縛られていた頃には無かった味と効果があるはずだ。

 彼女は明路空さんのように、噛んだりはしない。
 不安そうな瞳は、精神が壊れているとは思えない。

 ちょっと抜いて、訊いてみた。
「えっと、僕は詞露。解る?」

「知ってる……聞いてた。名前、もらったのね」
 彼女が応えてくれた。

「えっと、戻った?」

「ええ、たぶん、そうね。あなた、相変わらず、勝手ね……人をおかしくして、戻して……戻したくなったのね」

「うん、気になっちゃったから……」

「赦さないわ。好きなだけ飲ませてもらうわよ。また壊れるくらい。そうしてくれないと、あなたに復讐するやり方を考えるわ」

「えっと、そうしてあげたいけど……」

「できないの? 私もあなたのミルクを買わなきゃならないの? たぶん、まだ、それしか飲めないのに」

 この館に居る少女たちにも、好きなだけ飲ませてあげることはできない。この娘は明路空さんの所にいるのだから、もっと無理だ。

「なんとかする……だから、もう壊れないで」

 彼女はすぐに吸い付いてきた。激しく、上手だった。
 我慢しない。
 我慢して気持ち良くなって、美味しいのを飲ませてあげたいけど、後がつかえている。
 この娘だけじゃない。

 一回の射精で、抜かせてくれた。
 うっとりと味わう表情は、また壊れてしまったのかと心配になった。
 でも、すぐに睨みつけてくれた。

「早く戻ってきてね。みんなにするんでしょう?」

 目隠しと拘束をされた少女たちは、落ち着いてきているように見えた。
 静かだけど、怯えてはいない。

 僕を待っている。もう戻っているのかもしれない。
 でも、飲ませてあげなければならない。
 今はサービスすると約束したのだ。

☆ お嬢様たちの告白

 みんな落ち着いてきた。

 精神が壊れていた娘たちも、元に戻ったみたいだ。
 まだ飲ませてないのに。

「詞露君、今日はサービスしてくれるのでしょう? 飲ませてあげて。みんな満足させて」
 泣かせてしまった明路空さんも、落ち着いているみたいだ。

 明路空さんが連れてきてくれた娘たちに、一通り飲ませた。
 あまり待たせたくないから、少し急いだけど、時間もかかる。

 怯えていないようだし、急いでいたから、彼女たちの目隠しと拘束を外さなかった。
 気持ち良かった。
 かなり高品質の、美味しいミルクを飲ませてあげられた。

 僕に会って、拒絶する女の子は居なかった。
 明路空さんが初めてだった。
 嫌がる明路空さんに無理やり飲ませるのは、気持ち良かったけど、心が痛んだ。

 今、みんな嫌がってはいない。ためらう理由は無い。
 目隠しされ、拘束された少女たちに注ぎ込むのが、気持ち良い。

 少し危険な感じがある。
 無理やりした時に痛んだ心が、麻痺してゆくような。

 でも、気持ち良い。
 気持ち良いほど、薬効を持つミルクの質は上がる。
 僕のお仕事は、気持ち良く射精することだ。
 夢中で飲ませていた。

 遙愛の声で、我に返った。
「詞露、お疲れ様。一通り行き渡ったわ。こっちに来て」

 紅華様、緋映様、美赤様。
 お嬢様たちが、目隠しされ、拘束されていた。
 僕を助けてくれたお嬢様たちが、昔の僕のように。

 それだけではない。
 明路空さん、舞月姫さん、そして遙愛も、目隠しと拘束を着けている。

 みんな、動けるようになっていたみたいだ。
 沙良羽さん率いるメイドたちが、周りに控えている。
 目隠しと拘束を手伝ったのだろう。

 したい。エッチしたい。したくて、たまらない。
 拘束されたお嬢様たち、舞月姫さん、明路空さん、遙愛が壊れるくらい、したい。

 脚を広げ、オマ×コを見せつけるようなポーズの拘束は、僕を誘うためだろう。
 この高まる欲情は……舞月姫さんが居るのだから、当然だ……僕を発情させるように調整された娘の近くに居るのだから……でも、さっきまでとも違うのは、何故だろう?

「詞露、あなたに、お話しすることがあります」
 紅華様が話し始めた。

 メイドたちが僕を抱きしめ、沙良羽さんが咥えてくれた。
 なんとか話を聞くことができた。

「詞露が閉じこめられ、特別な薬効を持つ精液を出せる身体にされたのは、私たちのためでした」

 ……え?

「私たち姉妹は、長生きできない身体だったそうです。私たちの身体を治すために、色々な方法が研究されました。その中で、特別な精液を持つ少年の伝説から、詞露、あなたが発見されました。薬効を高め、十分な量を確保するために、詞露の身体は調整されました」

「研究のために、かなりのお金も必要だったらしいわ。でも、詞露のミルクはお金にもなったわ。そして、私たちは、それがあなたの精液だとは知らずに、私たちを生かすための薬だとも知らずに、ただ美味しいミルクとして飲んでいたの」
 緋映様の表情は見えない。目隠しのせいだ。

「あなたを助けた時も、まだ、そのことを知らなかった。ただ、母から受け継いだ資産の中に、あなたを搾るための組織を見つけて、そんなことは止めようと思ったの。自分たちのためだったのにね」
 美赤様の声は、少し震えている。良く知らない人なら、気付かないだろうけど。

「助け出した後、少し待たせちゃったわね。ごめんね、あなたのミルクが、自分たちを生かしてたって、やっと気付いたの。あなたの精液だと知って、飲むのを止めたら、身体が動かなくなって、苦しくなって……最初は何でなのか、解らなかったわ。もっと調べて、詞露のミルクで生かされてたと知って、慌てて詞露を引き取ったわ」

「詞露は、女の子の中でしか出せなくて、搾られないと苦しくて、そして、詞露のミルクが必要なのは、私たちだけじゃなかったわ。遙愛さんは引き取れたけど、舞月姫さんや、あの壊れちゃった娘たちは、明路空さんに引き取られてた。他の、詞露のミルクを買っていた人たちも、あなたのミルク無しではいられなくなってた娘が多かった」

「それは、あの、何で、教えてくれなかったんですか?」
 訊きながら、僕は沙良羽さんの口内に射精していた。
 気持ち良い。沙良羽さんも嬉しそうだ。
 じっくりと吸い付き、射精を助けてくれる。

「詞露が怖かったから。詞露がその気になれば、みんな壊したり、従わせて、好きなことができるわ。そして、もし、詞露が私たちに飲ませてくれなくなったら、私たちは生きられないわ。遙愛さんも、明路空さんの所の娘たちもそう」

「そんなこと、しません!」

「わかってるわ。そのために、あなたを優しくしたんだもの。でも、それも我慢できなくなりそう。あなたの毒、思ったより強いの。隠し事が苦しくなるくらい」

「よく言うわ。詞露君のお金で、女の子たちを助けていたのも、詞露君を優しくするためでしょう? もう、十分に調教して、詞露君が優しくなった自信があるから、打ち明けたんでしょう?」
 明路空さんは知っていたらしい。
 それで、僕にあまり優しくしないようにしていたのだろうか。

「そうよ。やっと打ち明けられたわ。詞露、あなたの身体がそうなったのは、私たちのせいだわ。だから、私たちがお世話するわ。好きなように使って。でも、それは、これまでとも同じで、詞露には、私たちでなければならない理由は無いのよね……」

「ねえ、詞露、私たちが変えたのは、あなただけではないわ。詞露を搾るための女の子たちも、閉じ込めて、精神を壊してしまったりもしたわ。詞露自身も、目隠しされて、拘束されて、家畜のように搾られてたわよね。全て、私たちのせいなの。どうする?」

 僕は、沙良羽さんを組み敷いて、オマ×コを使っていた。
 お嬢様たちのオマ×コより気持ち良い。
 遙愛と舞月姫さん、明路空さん、その次くらいに良い。

 目隠しと拘束を着けたお嬢様たちは、僕に犯されたがっている。たぶん。
 それに従っても、反発して、こうして他の娘を抱いても、どちらもお嬢様たちの思惑通りなのだろう。

 僕は混乱している……どうしたら良いのか、よくわからない。
 でも、エッチしたい衝動は抑えられない。

 お嬢様たちを生かすため、たくさんミルクを出すために、僕はエッチが止められない身体になっているのだ。
 我慢して、飲ませないことが解放でもない。
 できるはずもなく、する必要もない。

 また射精した。
 沙良羽さんはそろそろ耐えられないだろう。

 次はどのオマ×コを使おうか……お口も良いな。

 お嬢様たちは、まだ待たせておこう。
 そのうち足りなくなって、使ってしまうだろうから。

☆ 自分で閉じこもること

「詞露君、私に無理やり飲ませたわよね。あなたのミルクは麻薬なのよ、解ってるでしょ。禁断症状は愛しくなること。最悪よ。苦しすぎるわ」
 明路空さんは、そう言いながら、ずいぶん優しい感じになった。
 なってしまった。

「いいえ、苦しくもない。あなたを独占できないのが解るし、あなたが多くの女の子に応えるのを助けたいとさえ思う。あなたに会えなくても大丈夫。幸せになってる。それが最悪ってことよ。解るでしょ?」
 明路空さんの言うことは、解らないけど解る。

 僕のミルク、美味しく身体に良い精液を飲めば、幸せになってしまうらしい。
 ただ僕のオチン×ンを咥えて、気持ち良くするだけで……

 出会ったら手遅れ。
 僕に会ったら、エッチしたくなる。
 僕がこの館から出てはいけない理由。
 僕を拒める女の子はいない。

 明路空さんにも飲ませた。
 壊してしまった娘たちの心も、戻した。

 何も問題ない。

 お嬢様たちのために僕がこうなったのだとしても、感謝しかない。
 たとえ、昔の、目隠しと拘束が解かれなかったとしても……

 いや、解かれなかったら、お嬢様たちにも、遙愛にも会えなかった。
 壊してしまった娘たちも戻せなかった。
 解いてくれたのはお嬢様たちだ。
 やはり感謝しかない。

 そのお嬢様たちは今、昔の僕のように、自分を拘束している。
 そのまま僕に抱かれたがっている。
 ただの遊びだ。
 僕が、拘束された女の子に興奮したから。

 そろそろ、お嬢様たちに注いであげないと。
 僕のミルクが、薬として必要なんだそうだし。
 僕にできる、望まれていること。

 沙良羽さんとメイドさんたちが、僕に抱きついて邪魔した。
「沙良羽さん、お嬢様たちに、飲ませてあげたい」

「詞露様、あなたは酷いことをされました。お嬢様たちのためにです。怒って良いのですよ?」
 沙良羽さんが僕を様付けで呼ぶ。これも遊びだろう。

「怒ることなんて無いよ」
「お嬢様たちに頼らなくても、あなたはやっていけます。この館に閉じ込められる必要もありません。私も、メイドたちも、明路空様が保護してくれていた女の子たちも、あなたのミルクを買ってくださるお客様たちも、詞露様を助けます」

「お嬢様たちが、薬として詞露様のミルクが必要なら、買えば良いのです。お情けをかける必要はありません。詞露様のミルクを搾るのは、私や遙愛さんの方が上手なのですから。お嬢様たちが詞露様を閉じ込めるのは、抱かれたいだけです」

「それも僕のせいだ。僕の身体が気持ち良いから? 僕の毒にやられたんだ」

「だから、そうされたのがお嬢様たちのせいなのです!」

 沙良羽さんの怒り顔に、緋映様の怒り顔の記憶が重なる。
 そんなに僕を怒らせたいのだろうか?
 僕が怒らないと、満足できないのだろうか?

 オチン×ンが、身体が辛い。
 今、女の子の中に入っていないから。
 しばらくなら、我慢もできる。
 でも、ずっと我慢するのは無理だ。

「沙良羽さん、放して、辛い、入れたい!」

「そうなったのが、お嬢様たちのせいなのです! 詞露様に会えた女の子は幸せになれます。でも、会えない娘や、大人たちは、詞露様を危険として排除しようとするでしょう。あなたが閉じこめられているのは、あなたのためでもあります。全て、お嬢様たちのせいなのです!」

「でも……」

「詞露様のお側に居られる条件は、詞露様の良いミルクを搾るお手伝いができることであるべきです。そうでないなら、お客様としてお金を払えば良いのです。お嬢様たちが詞露様のために使ったお金もかなりのものですが、詞露様のミルクの利益、そこからお嬢様たちが得たものは、とっくにそれを上回っています。この館も、詞露様のモノとして良いのです」

「でも、お嬢様たちは僕のモノじゃない! 沙良羽さんも、みんなも!」
 叫びながら、白々しいと思った。

 これが僕の怒りだったらしい。
 沙良羽さんの表情が優しくなった。

「詞露様が望まれるなら、詞露様のモノになりますわ。私たちも、お嬢様も」

 でも、もう、とっくにそうなのだ。
 僕に会ったら手遅れなのだから。
 みんな自由なんかじゃない。

 沙良羽さんたちを振り払う……簡単だった。僕に逆らわない。
 遙愛の拘束と目隠しを外す。悲しそうな目。僕の心が解る遙愛。
 笑いかけようとする自分が悲しい。

 その拘束具と目隠しを持って、部屋に急いだ。鍵をかける。
 一人きりで、自分に目隠しした。
 拘束は上手くできていないだろう。でも、動けないと思えるくらいにはできた。

 どのくらい閉じこもっていられるだろうか。
 たくさん出会ってしまった。
 もう、手遅れなのだ。

☆ 誰もいない部屋から

 どれくらい経ったのだろうか。
 たぶん、一時間も経っていない。

 でも、永かった。
 苦しい。
 ミルクが出せなくて苦しい。
 こんなに早く?

 怖い。
 このまま一人かもしれないのが怖い。
 何で僕は、また、自分を閉じ込めたのだろう?
 こうなることは解っていたのに。

 このまま消えられるだろうか。
 いや、身体が死ぬ前に、心が壊れるだろう。

 僕は、叫ぶだろう。呼ぶだろう。
 そして、もし、また、助け出されたら。

 貪るだろう。
 また女の子を壊してしまうだろうか。

 いや、その前に、消してもらえるかもしれない。
 壊れた僕は危険だろうから。

 しっかり拘束されて、遙愛や舞月姫さんのような、僕を扱える女の子に任せられるのかもしれない。
 僕はそうして扱えるくらいのモノなのだ。
 消されるくらい危険だとか、思い上がりだ。

 苦しい。出したい。ミルクを出したい。
 縛られたままでも良い。

 僕のミルクは美味しいよ?
 身体を治すよ。美しくなれるよ。

 僕に触れると気持ち良いよ。
 今なら、飲み放題だよ。

 もう心を壊したりもしない。
 僕の心が壊れたとしても、しない。
 約束する。

 僕のミルクは高く売れるよ。
 大丈夫、飲みきれないくらい出すから。

 そうだ。
 お客様が待ってる。

 十分に稼げば、あの娘たち、僕が行けない綺麗な森にいた、あの娘たちも、受け取ってくれる。
 あの手紙がもらえる。

 館のみんなも待っている。
 僕は一人では出せないから。
 僕を手伝ってくれるために、待っていてくれる。

 ああ。
 良いことだらけだ。

 お嬢様たちを解放しなくちゃ。
 いや、僕がすることでもない。
 でも、僕がすることなのだろう。

 心は簡単に弱る。

 良いことだらけの中で、何で弱るのだろう?
 この苦しさ……ミルクを出したい……搾ってほしい……痛いくらいだ……痛い

 拘束が無ければ、暴れ出すかもしれない。
 部屋から飛び出して、女の子を求めて、オチン×ンを入れて、ミルクを出して……やっと落ち着く。

 でも。
 苦しいけど……我慢もできる。それも練習した。
 苦しいまま生きていける気がする。

 たぶん、それが、必要なことなんだ。
 自由をもらったから。

 出会った女の子を発情させることを、弱めたいと思う。
 僕に会っても、我慢できるくらいに。

 そうなるためなら、我慢できる。この痛みも。

 お嬢様たちに頼もう。
 僕の身体も、もう少し調整できるかもしれない。
 僕が望まないと、変えてくれないだろう。

「誰か……遙愛! 緋映様! 紅華様! 美赤様! 沙良羽さん! ごめんなさい! 解いて! 助けて!」

 応えは無い。
 怖い。
 寒くないのに、寒い。

 聞こえないのか?
 誰も居ない部屋で、僕は自分を縛り付けてしまった。

 勝手に入ってきたりはしないだろう。
 何日も出てこないなら、来てくれるかもしれないけど。
 他人の部屋には勝手に入らない。
 それが普通だ。

 僕は拘束を解こうとする。
 手探りだ。目隠しもしてしまったから。

 解けるだろうか。

 怖い。寒い。
 苦しい。出したい。

 でも、まず解かなくちゃ……

☆ また、そこから出ること

 なんとか拘束を解いた。目隠しを外す。
 部屋を出た。

「詞露……」
「詞露様!」
 遙愛と沙良羽さんが待っていてくれた。

「詞露、ごめんね、助けなくて」
「大丈夫。自分で出られた」
 抱きしめてキスした。遙愛は僕の恋人だ。

「失礼しました、詞露様。大丈夫ですか? 勝手に怒ってしまって、申し訳ありません」
 沙良羽さんが心配してくれる。
「うん、大丈夫」
 笑顔を見せる。沙良羽さんの表情も、嬉しそうな笑顔にとろけた。
 僕にできることのひとつ。

 広間に急ぐ。
 みんな静かに待っていてくれた。
 お嬢様たちは拘束されたままだ。
 明路空さん、舞月姫さんも。

「詞露!」「詞露!」「詞露……」
「詞露君」「詞露さん」
 僕が来たことは、目隠しされていても解るだろう。
 身体が火照るはずだ。

「何で縛らせたんですか? 僕が怒り易いように? そんなことしないのに」
「知ってるわ。ごめん、詞露に怒られたかった」
 緋映様が応えてくれた。

「詞露がされていたことを真似してみたかったの。でも、ダメね。全然違うわ、たぶん。いつでも外してもらえるもの」
 目隠ししていても、紅華様の唇は笑っていた。

「そこは同じです。僕も言葉は自由だった」

「そうよね、詞露君はいつでも自由になれたものね。周りのたくさんの女の子は、何でもしてくれたはず。でも、自由になる必要もなかったわよね。好きなだけ女の子の中で射精させてもらえて、動く必要も無くて。怠け者ね」
 明路空さんの言う通りだ。

「そうよ、詞露、この館からも出られるわ。でも、怖い気持ちもあるでしょう。昔は、外に世界があるなんて、知らなかったのでしょう? 怠けてただけ、だったんじゃないわ。でも、やっぱり、ちょっと怠け者だけど」
 美赤様はいつもの口調だ。

 僕は怠け者だった。
 僕の毒はそれを許してくれた。自分の毒が回っていた。

「せっかくだから、今日はそのまま注いであげます。気持ち良いですよ。明路空さんと舞月姫さんも、無料サービスしますよ? 明路空さんはオマ×コですよね? 無理にお口に飲ませてごめんなさい。舞月姫さんに触れるのは、やっぱりダメですか?」

「私も、お口にも飲ませて! 舞月姫も待ってたんだから、してあげて! 詞露君、私が連れてきた、あなたが心を直した娘たちも、面倒見てくれる? あなたのミルク、みんなの分買うのは、ちょっときついの。その代わり、舞月姫と私をあげるわ。私たちの身体、良いでしょ?」
 明路空さんの提案は不思議なものでは無い。
 でも。

「直した娘たちの分は安くします。明路空さんと舞月姫さんはお客様でいてください」
 明路空さんを受け入れたら、秘密にはできないだろう。
 お客様たちがみんな押しかけて来てしまう。

「詞露、それで良いの?」
 紅華様の忠告。
 あれ? 何か……間違えてる?

 何で僕は、受け入れないんだろう?
 お嬢様たちも……明路空さんたちも……お客様たちも……
 望めば僕のモノになるのに。

 自由を奪うことも無いだろう。
 閉じ込めるわけでもなく、立ち去りたければ引き留めることも無く……あれ?

 いや、みんな押しかけて来たら困る……いや、望めば帰ってもくれるだろう……
 お金もくれるだろう……いっぱいくれる娘は優先すべき……
 あれれ?
 それは、これまでの、お客様だよね?

 今と同じ? みんな僕のモノだった? 僕の思い通りだった?

 いや、変えたい。
 どんな風に?

☆ 僕がお願いすること

「遙愛、恋人を増やしても良い?」
「私だけだったわよね、恋人と呼んでくれたのは。じゃあ、私はどうなるの? 恋人のまま?」

「遙愛は特別だ……どうしよう……」
「良いわよ、恋人で。詞露はお利口じゃない方が良いから、考えなくて良いわ。誰を新しく恋人にするの?」

「みんな、全員、僕の恋人になってください! 好きです! 一人だけの恋人にできないけど、それでも良いなら……」
 僕はみんなにお願いする。

「詞露、私を恋人にしてくれた時は、そんな告白、してくれなかったわよね。でも、今、してくれたから良いわ。遙愛は、詞露の最初の恋人だもんね。良いわ、恋人でいてあげる」
 遙愛が笑ってくれる。

「詞露様の恋人? 私やメイドたちもですか?」
 沙良羽さんが興奮している。

「私も、舞月姫も、私が引き取ってた娘たちも? 恋人にしたいの?」
 明路空さんが戸惑っている。

「うん、みんな好きだ。明路空さんも。でも、断られたら、寂しいけど……」
 断られるかもしれない。特に、明路空さんには。
 でも、やっぱり寂しいけど。

 僕を見るみんなは、頬を紅く染めている。僕の近くにいるから、発情している。

 でも、いつもともちょっと違う。僕に勝手なお願いをされているから。

 これは知ってる。したことがある気がする。何時のことだったろう?
 僕は狡いと思う……でも、みんなも、僕がお願いすることを愉しんでくれている。

「詞露君を教育し直したいわね。もっと、こう、悪い子にしたいわ。そのために、傍にいてあげる。恋人なら、傍にいられるわよね?」
 明路空さんがため息をつく。でも、恋人になってくれるみたいだ。

「いえ、何だか、十分に狡い、良い子じゃない感じもしますけど……でも、舞月姫は、詞露さんの恋人になれるなら、なりたいです。もう、また、出会ってしまいましたし」
 舞月姫さんの、僕を発情させる影響力が心地良い。いきなり強くなった。抑えてくれていたものを、解放したのだろう。凄く欲しい。でも、それが心地良い。
 だって、もう、ずっと一緒に居てくれるだろうし。あの気持ち良い舞月姫さんが、恋人として。

「舞月姫、詞露の最初の恋人は私よ、遙愛よ? あなたの方が良いミルクを搾れるかもしれない。あなたは傍に居るだけで、詞露を発情させる。あなたも、詞露のミルクじゃないと生きてゆけない。でも、でも、これまで詞露を支えてきたのは私よ」
「解ってるわ、遙愛。詞露を支えてくれてありがとう。私にもお手伝いさせて」
 遙愛と舞月姫さんは、互いを知っているだろう。一緒に僕を搾っていたはずだ。その頃、名前は無かっただろうけど。

「詞露、私たちも恋人にしたいの?」
 緋映様の声は、また感情を抑えている。
 でも、嬉しそうだ。抑え切れていない。

「うん、お嬢様たちも、遙愛も、みんなも優しい……わかってたけど、わからなくなってた。僕のミルクが無いと苦しかったり、生きられなかったり……でも、それは、優しくしてくれる理由じゃない。ミルクが必要なら、僕を閉じ込めておけば良いんだ。僕が毒を持つ生き物だとしても、それを知ってて、閉じ込めずに受け入れてくれてるんだ。好きです、恋人になってください!」

「良いわ、なってあげる」
「仕方ないわね。良いわよ」
「了解」
 お嬢様たちの声が、落ち着いてきた。

☆ 夢。もし、治ったら

「詞露の毒にやられちゃってたわ。申し訳なくて、罰して欲しくて、それでも捨てられたくは無かった。詞露が優しくなって、毒も変わってる。こっちも対応しなきゃね。沙良羽、拘束を外してくれない?」
 緋映様がそう言うのを遮るように僕が話す。

「緋映、そのまましてあげたいけど、ダメ?」
 呼び捨てにしたのは初めてだ。

「ダメよ。癖になっちゃったら嫌だわ。拘束されたまま、こっちから詞露にしてあげられなくて、して、私にしてっ! オチン×ンちょうだい! ってお願いして……それでも、順番は待って……そんなの、癖になるわ……あっ……外してからっ! あ……あうっ!」
 緋映様のオマ×コに入れた。その瞬間、射精が始まる。

 少しの間だけど、溜めすぎていた。舞月姫さんの発情影響力も受けている。
 拘束され逃げられない恋人お嬢様の、待ちかねているオマ×コで、我慢できるわけがない。

「あ、あう、ああっ……し、詞露……」
 僕のミルクだけが癒せるという、緋映様の痛み……美味しいだけじゃない、薬効を持つ僕のミルク……でも、治るわけじゃなく、飲み続けなければならないらしい……

 治せないだろうか。
 昔、心を壊してしまった娘たちは、直した。

 遙愛や舞月姫さん、心を直した娘たちは、僕のミルクしか栄養として受け付けないらしい。他の物は身体が拒否するらしい。
 それも、変えられないだろうか。

 みんな、そんな理由がなくても、一緒に居てくれるだろうから。

「詞露……もしかしたら……」
「緋映様、治ったかどうか、治るかどうか、わかりませんか? 調べられませんか? 緋映様には、これからもいっぱい飲ませるけど、でも、僕のミルクが無くても、苦しくないようになってほしい」

「嫌よ、詞露のオチン×ンいっぱい愛するんだから、飲ませてもらうんだから、治らなくて良い……わけじゃないわよね……治っても、飲ませてくれる?」
「もちろんです」
「こんなに恋人がいるのに?」
「はい、えっと、あの、でも、苦しいから飲ませる、とか、だと、たぶん、最高のミルクにならないから……一番気持ち良くはならないから……」

「詞露、最高のミルクを搾られたいのね?」
「はい!」
「仕方ないわね……恋人のお願いだし。もう、治っちゃったかもしれないし。それが詞露の毒よね。依存させてもくれないわ」

 僕のミルクでしか癒せないらしい痛みが、そう簡単に治るわけが無い。
 でも、どうなのだろう? 僕のミルクの薬効は、僕の気持ちで変わるらしい。

 緋映様で一回出し切った後、紅華様、美赤様に交互に入れる。
 拘束されたお嬢様たちは抜かれまいと締め付けてくる。
「ああん、詞露、私のオマ×コ、誰かと一緒に使ってるわね……紅華姉様?」
「美赤と一緒? 緋映は一人だけだったのに……ああ、でも、詞露、あなたの好きなようにされるの、良いわ。緋映もうらやましがるわ」
「お嬢様たちをこうして使うの、気持ち良いです。後で、ミルクの品質を確かめてください。互いのオマ×コのミルク、飲んでください。かなり良いミルクだと思う。治したい。治せるかも」

 僕の身体。美味しく薬効のある精液を出せて、女の子の中でないと出せなくて、女の子を発情させる身体。これも一種の病気かもしれない。

 治ったら、どうなるのだろう?

 お嬢様たち、遙愛や舞月姫さんが困る。僕のミルクが必要な身体なのだから。
 でも、お嬢様たちの痛みも治して、遙愛や舞月姫さんも治して、みんな治して。
 そうしたら、僕の身体も普通になっても良いはずだ。

 もし、普通の身体になったら。
 みんな、どこに行くのだろう。

「詞露の隣に居るわよ。普通の身体になってもね。私だけじゃなく、みんなそうよ。恋人たちを信じられないの?」
 遙愛にキスされて、射精が始まる。途中で紅華様の膣内から、美赤様に移る。

「遙愛、そうやって、僕がまだ言ってないことに応えられても、みんな解らないんじゃないかな。でも、ありがとう、遙愛」
 もし身体が直っても、遙愛はやっぱり僕のことが解ってしまうのだろう。

「詞露さん、普通の身体になっても、あなたの毒は消えないです。もう、手遅れ。これまでのことは、消えないです」
 そうだ。舞月姫さんの言うとおりなのだろう。
 たぶん、記憶を失ったりしたとしても、過去は消えない。

「私を癒やしてくれてたミルクが、男の子の精液だって知った時、気持ち悪いと思ったわ。そのために閉じ込められてた男の子に会うのも、怖かった。でも、詞露の毒が癒やしてくれたわ」
 緋映様はそれでも僕に厳しかったけど。いや、それが緋映様の強さだ。僕に優しくしないのは、難しいのだから。

 美赤様の膣内でもう一度射精が始まってから、紅華様に戻る。三姉妹のお嬢様たちには三回は必要だ。僕がそうしたい。

「んんっ、私は、詞露のミルクが不思議だったわ。詞露のこと、もっと研究したかった。でも、助け出された詞露は、私のモノでもなくて、私は詞露が必要で。もちろん、自分の身体を捧げるつもりはあったけど、詞露には私だけじゃ足りないし、ライバルは多いし……」
 美赤様の静かな表情は、いつも遠くを見ている。

「詞露の身体が直ったら、みんな困るわ。私だけじゃなく、緋映も美赤も遙愛さんも、他のお客様も困るわ。直すわけにはいかなかったわ。でも、それで助かったわ。私だけが困るなら、直すようにがんばっちゃったかもしれないから」
 紅華様が、夢を語るように語り始めた。

「それで、普通の身体になった詞露に出会って、恋して……無いわね。そんなこと、無いし、無かったわ。詞露が普通の身体で、たくさんの女の子は必要無くて、私だけの恋人になってくれるなんて、そんな都合の良いことは、妄想してオナニーするだけだわ。もう、詞露、あなたの毒、やっぱり困るわ。どうしてくれるの?」
 紅華様が怒ってみせる。本当に怒った時は、こんな優しそうじゃない。

「詞露君、勝手なことしないでよね。私には、無理やり飲ませたんだからね。もっともっと我慢して、飢えて、焦がれて、おかしくなって、あなたのミルクを飲んだらショック死するくらい、焦がれたかったのに。私の我慢を無駄にしたわね。普通の身体になるなんて、許さないわ」
 明路空さんは、優しくなった。なってしまった。僕のミルクを飲ませてしまったから。我慢してくれてたのに。

「もっともっと、美味しいミルクが出せる身体になるなら、許してあげる。そのためなら、私と舞月姫とあの娘たちを、好きに使って良いわ。普通の身体になるなんて、必要ないのよ。あなたの毒は、それでも消えないって、舞月姫の言うとおりだし」

「えっと、でも、紅華さんたちの身体を治すのは、舞月姫とか、あなたのミルクしか飲めない娘を直すのは、良いわ。それは、協力するわ」

 明路空さんの言う通りかもしれない。
 僕の身体はそのままで良い。

 治すとしても、まずは、お嬢様たちや遙愛、舞月姫さんからだ。
 順番は大切だ。
 みんなが僕のミルク搾りの順番を待ってくれるように。

☆ 一人じゃないから、必要なモノ

「さてと、詞露、あなたが何をしたか、教えてあげなくちゃね」
 遙愛が僕を押し倒す。

「お嬢様方、みなさん、詞露は、今更、みんなを恋人と呼びました。つまり、解ってなかったんです。みんなの優しさが。全く、しょうがない恋人です。最初の恋人としてお詫びします。せっかく、みんな、我慢してくれてたのに、台無しです」
 遙愛は僕のオチン×ンをみんなに見せつける。

「コレの恋人も、私だけではなくなってしまいました。詞露のオチン×ンは、美味しいミルクが出るかどうかなんて関係なく、私たちが求めていたモノです。ねえ、詞露、そうよね? 知ってたでしょ? あなたの恋人、こんなに増えたんだから、がんばってね。もう、ミルク搾りのお手伝いとか、お客様だとか、それだけだけじゃ無いのよ。みんな恋人なんだから」

 遙愛は僕のオチン×ンに頬擦りし、根元にキスしてくれる。これだと僕は射精できない。女の子のお口かオマ×コに包まれないと射精できない。
 でも、気持ち良い。

「ああ、詞露様のオチン×ン……」
「詞露さん、好きです、ください!」
「ご奉仕します、ミルク搾りのためじゃなく、恋人のために」
 沙良羽さん、メイドさんたちが集まってくる。

 いつの間にか、お嬢様たち、明路空さん、舞月姫さんの拘束も解かれていた。
 明路空さんが連れてきてくれた、心を直せた女の子たちも集まってくる。

 心が戻った娘の一人が話しかけてくる。
「恋人なら、良いわよね? 栄養として必要な分以上に搾っちゃうかもしれないけど、恋人なんだから。私たち、あなたのミルクしか飲めない、他の栄養なんて、要らないんだけど……でも、詞露、あなたが望むなら、他の栄養、試しても良いわ。まず、あなたのミルクをかけたケーキとか、フルーツとか。おかしいわ、食べられそうな気がするわ」

 僕はみんなの身体に絡め取られる。動けないわけでもないけど、押し当てられた唇、舌、オマ×コ、その他色々な気持ち良い身体を刺激してしまう。刺激されてしまう。だから、ゆっくり動く。そして、任せる。

 オチン×ンが次々と別の唇、オマ×コに包まれる。でも、まだ射精しない。凄く良いけど。
「んっ、今はお仕事の時間じゃないのですから、我慢してミルクの品質を上げなくてもいいのですよ?」
 沙良羽さんは待ちきれないようだ。
「飲ませてあげるための時間じゃないから、我慢して楽しんでもいいでしょ?」

 明路空さんが僕の腰を抱きしめる。
「……意地悪、飲ませてくれないの?」
「やっぱり飲みたい?」
「ええ。当然でしょ? 詞露は、世界一美味しいミルクが出せる、自慢の恋人なのよ?」

 心を直した娘たちは、美しいドレスを脱ぎ始める。僕に見せつけながら。
「あなたが美味しいミルクを出せるから、惹かれたのは確か。でも、もう、それだけじゃないわ。でも、それも大事」

「あなたのミルク以外の栄養もとれるようになったら、あなたのオチン×ン、本当に愛せる気がする。生きるためじゃなくて、あなたが好きだから、愛するの」
 まだ、この娘たちの名前を知らない。昔、心を壊してしまって、それを直せた女の子たち。名前はまだ無いのかもしれない。でも、必要だろう。誰が名前をくれるのだろうか。

☆ 恋人たちを求めること

「紅華姉様の妄想、ちょっと良いわね。でも、自分だけ治らない方が良いわ。詞露が、我慢もできて、女の子を発情させない身体になって、私以外、みんな詞露がいなくても大丈夫な身体になって……私は詞露の恋人になって、自分の身体だけはやっぱり詞露のミルクが必要なんだけど、治ったことにして」
 緋映様が、ちょっと変なことを言い始める。紅華様のあの夢は楽しいらしい。

「詞露は、私の身体が治ってないことに気がつかないの。だって、恋人だもん。私も欲しがるし、詞露も飲ませたがるわ。絶対」
 うっとりと語るそれは、ちょっと身勝手な夢。
 でも、緋映様のせいじゃない。僕のせいだ。

「でも、もし、みんな普通の身体になっても、詞露に選ばれる恋人は私じゃないわ。遙愛さんだわ」
 どこか諦めたような微笑み。

「いいえ、みんな、ずっと詞露の恋人です。私だけじゃなくなっちゃった。もう、私に遠慮する必要もありません。そのために詞露はお願いしたんだもの」
 遙愛もため息をつく。

「ごめん遙愛、でも、恋人って素晴らしいんだ、みんなそうなって欲しいと思ったのは、遙愛のおかげだから、あの、でも、ごめん……」

「良いのよ。私も楽になるし。詞露の一人だけの恋人って、大変なのよ? みんなに申し訳なくて、でも、独占もできなくて。私以外には務まらなかったかも。でも、もう、大丈夫だわ」

 僕のオチン×ンは、恋人たちのお口、オマ×コを次々と絶頂させている。触れるだけで快感を感じるという僕の身体が、恋人たちを楽しませようとしている。

「あんっ、詞露、あなたのオチン×ンが本気になったら、勝てる女の子なんていないわ。舞月姫、手伝って」
 遙愛と舞月姫さんがオチン×ンにキスしてくれる。舞月姫さんに触れられて、我慢できなくなる。いや、我慢してたわけでもないけど。

 遙愛のお口に含まれて射精する。気持ち良い。遙愛も嬉しそうだ。
 途中で舞月姫さんに交代した。コクコク飲まれる。いつもより多い。多すぎる。終わらない。
 明路空さんが交代する。ゴクゴク飲む。まだまだ終わらないみたいだ。

 女の子のお口かオマ×コに包まれていないと射精できない僕のオチン×ンが、次々と恋人たちのお口に含まれる。みんな嬉しそうに飲んでくれる。こんなに贅沢に飲ませるのは初めてだ。

 抜かれた瞬間止まるけど、止まってもいない。すぐに次のお口で、射精の続きが始まる。連続射精に見えるだろうけど、一回の射精だ。一回の射精がずっと続いている。こんな射精、一人の女の子が受けきれる訳が無い。恋人がたくさんできたからって、調子に乗りすぎだ。

「んっ、詞露、そう、これがあなた、あなたのオチン×ン……私、あなた専用だった遙愛だって、一人じゃ受けきれない……女の子一人じゃ無理、たくさん居なきゃ……でも、もう、みんな、奴隷でも、お手伝いでもない。みんな、恋人。遠慮しなくて良いから、好きなだけ出してね」

「こんなに好きなだけ飲めるなんて……詞露さんのミルク、飲みきれないなんて……なんて、贅沢……恋人だから?……ああ、嬉しい! 最高です!」
 遙愛と舞月姫さんの二人でも受けきれないなんて、僕は変わってしまったのだろうか?
 いや、昔の僕にも、たくさんの女の子が必要だった。戻ったのだろう。
 でも、昔と同じでもない。

「こんなに、飲ませてくれるのね、絶対我慢させられると思ってた。あなたのミルク、足りないと思ってた。だって、みんなこれまで、我慢してたんだもの。詞露さんの高価なミルク、こんなに飲めるなんて、ああん……」
 明路空さんが保護してくれていた、僕のミルクが必要な女の子たちも、喜んでくれている。
 この娘たちも優しい。飲み方で解る。オチン×ンの吸い方、絡みつく舌が優しい。
 心を壊さなければならなかったのは、我慢するため?

 僕のミルクは高価だった。足りなかったからだ。我慢させるためだ。諦めさせるためだ。こんなに出さなかったから。
 まだまだ足りないだろうけど、せめて、恋人たちには。

 射精を続ける僕の身体を、遙愛、舞月姫さん、心を直した娘たち……
 昔、僕が拘束されていた頃、搾ってくれていた女の子たちが、支え、伸ばし、揉みほぐしてくれる。

 そうだ、こんな感じだった。拘束されていた僕の身体が、おかしくならないように、動かしてもくれた。

「懐かしいかな? ごめんね、ずっとこう、ほぐしたりもしてあげたかったけど、詞露はもう縛られてないから、遠慮してた」

「縛られてた詞露さんの身体をこうやってマッサージするのは、必要なことだったけど、縛られてない詞露さんの方が良いです。その気持ち良さそうな、優しい眼。あの頃は隠されてたわ」

「あ、ありがとう……みんなも、思い出しちゃって、大丈夫?」
「大丈夫よ。あなた、もう、縛られてない、目隠しもされてないもの。そんなに幸せそうな詞露を見ていられたら、心が壊れたりしなかったわ」

 そのとき、ちょうどお嬢様たちが飲んでいた。
 少しだけ、笑顔が陰ったのが解った。

 でも、すぐにとろける。僕のミルクをこんなに飲みながら、悲しくなる女の子なんていない。

 一回の射精で、全員お腹いっぱいにできてしまった。

 僕の身体は、本当に不思議な何かなのだ。閉じこめられた理由も解るような。
 怖い気もするけど、みんな幸せそうで。

☆ 恋人たちを頼ること

 みんなに恋人になってとお願いして、みんな恋人になってくれて。

 明路空さん、舞月姫さん、明路空さんが保護してくれていた女の子たちも、そのまま館に居ることになった。僕の恋人として。

 他の、搾りに来てくれていたお客様たち、派遣されるメイドさんたちにも、恋人になってくれるようにお願いしようと思った。

 でも、恋人たち、主にお嬢様たちに相談することにした。お客様がいなくなったら、困る気がするから。

「詞露のミルクは売り物じゃなくなるの? 恋人になれば、無料で飲ませてもらえるってこと?」
 オマ×コから僕のミルクを滴らせている、緋映様に訊かれる。

 お嬢様たちに膣内射精して、メイドさんたちに舐め咥えてもらいながら話している。たくさんの恋人に応えるには休んでもいられないし、僕はこの方が落ち着く。

「いや、売る分も出す、いや、搾ってもらうつもりだけど、それは、ミルクだけが必要な人に」

「僕に会うために来てくれてたのなら、恋人になって欲しい。僕は、恋人の分は飲みきれないくらい出せるみたいだから、大丈夫だと思う。ただ、僕とたくさんの恋人のためには、お金も必要だと思う。お客様がみんな恋人になってくれたら、お金に困るかも。どうしたら良いのかな? 考えてるけど……」

「そうね、みんな恋人になっちゃうわよね。でも、詞露、あなたのお金で助けてた女の子たち、あの娘たちみたいに、あなたが困ってたら、みんなお金をくれるわ。でも、それも嫌でしょうね」

「うん、だって、今は、助けてもらわなくても大丈夫なんだし。もしかして、変えない方が良いのかな?」

「もう遅いわ。明路空さんたちを恋人にしちゃったでしょう? お金の無い娘にも、お金持ちのお客様にも、恋人になって欲しいのでしょう?」

「うん、そうだ、どうしたら良いんだろう……」

 紅華様の表情が笑っている。というか、みんな笑いをこらえているような感じだ。何だろう? 僕はおかしなことをしてるのだろうか?

 紅華様が僕のソックスを脱がせ、足に頬摺りしてくれる。
「詞露、あなた、お金を使ったこと無いでしょ? この館にはお店も無いし、必要なモノは手に入るわ。何で、お金が必要なの?」
「え?」
 言われて気がついた。何で僕はこんなにお金を気にするのだろう?

「あ……でも、お客様たちは僕のミルクを買ってくれて、お金を払ってくれて、それで僕はここに居られて……そうですよね?」

 緋映様に反対の足も捕まえられた。
「そうよ。そうね、詞露、あなたのミルクの収益、使い方、詳しく説明しなくちゃね。この館の維持費、あなたとみんなの生活費、それだけなら、もう十分よ。お金を稼がなくても大丈夫。貯めてあると思って」
 そうだ、お金は貯めておくこともできる。それは知ってる。僕の貯金もある。でも、お嬢様たちの言う貯金は、何のためだったのだろう?

「でも、あの、助けるために使ってた分とか、僕がみんなと、何処かに行くためのお金とか、たぶん、そこまでは、足りませんよね? それに、恋人が増えたら……」

 美赤様が後ろから抱きついてきて、耳を噛まれた。
「そうねえ、詞露、あなた、恋人は自分が養わなきゃいけないって思ってるわね? だから、これまで、遙愛さんだけだったのかな。遙愛さんを養ってたつもり?」

 遙愛は僕のミルクしか栄養として飲めない身体だ。でも、僕のミルク搾りを手伝ってくれて、一番上手で、お給料ももらっていた。

 遙愛は、もし僕の恋人じゃかったら、自分のお金で僕のミルクを買うだろう。

「遙愛、ごめん、遙愛は僕のモノだって思ってた。いや、遙愛が一番自由なのに、僕から離れることもできるのに、それが怖くて、縛り付けたかった。ごめん」

 遙愛は僕の手を捕まえて抱きしめる。
「詞露、私の身体は詞露のミルクが必要で、詞露の身体は私じゃなくても大丈夫。あなたがそう思うのは当然よ。でも、そうね、だから、私の方が自由ね。迷う必要無いもの」
 いつものように笑っている。遙愛はいつも笑顔だ。笑いをこらえる必要はない。

「たくさんの恋人たち、詞露には必要よ。大変よね。私は詞露一人を支えれば、それで良かった。でも、詞露、あなたみたいな、か弱い恋人を支えるのも大変なのよ? 遙愛はこれまで、詞露を支えてあげられたわよね?」

「そうだった。ありがとう」
 僕はみんなに支えられていた。心も身体も。みんなで支えてくれている。今も。

「みんな、僕より強くて、僕の方が助けてもらってたのに、調子に乗ってた。ごめんなさい」

「でも、何処かへ行きたい。手紙をくれる娘たち、助けてた娘たちも、これからも助けたい。みんなとも一緒に居たい。お客様たちにも、恋人になってほしい。そのために、どうしたら良いでしょうか?」

 僕はお利口じゃないのに、何を迷っていたのだろう。お利口じゃないから、仕方ないのだろうけど。
 恋人たちは、僕より頼りになる。それに、自分だけのことでもない。

「欲張りね。でも、恋人のお願い、聞いちゃった。どうする?」
「もちろん、叶えるわ。私たちにできることなら」
「そうね、詞露、あなたの恋人たちの力、教えてあげるわ。少しだけ」
 お嬢様たちが頼もしい。それはそうだ。僕に全てをくれた恋人たちだ。

 遙愛も楽しそうだ。僕を幸せにするのは、遙愛自身のためでもあるだろう。僕の心が解る遙愛だから。
「一人じゃできないことも、できちゃうわね。詞露のたくさんの恋人たち、みんなが協力したら、どんなことができると思う?」

「想像もつかない……でも、僕のさっきのお願いくらいは、叶えてくれそうな気がする。あのお願い、叶ったら、どれだけ感謝して、お礼すれば良いんだろう?」

「それを考えるのは、詞露の恋人としてのプライドに任せるわ。恋人たちをがっかりさせないようにがんばってね」

「大変かも……でも、楽しみだな。みんなにどんなお返しができるか、みんながそのとき、どれだけ喜んでくれるのか。がんばろうっと」

「詞露さん、それは、あの、あまり期待させられても困ります。怖いくらいです。詞露さんが、本気で女の子を喜ばせようなんて、そんな、ああ、もう、想像もつきません!」
 沙良羽さんが困っているような……いや、違う、喜んでるみたいだけど。

「詞露さんのせいで、私たちは、何でもできるようになっちゃうかもしれません。詞露さんがくれるご褒美、想像するだけで……もう、こうしてはいられません! お嬢様方、急ぎましょう!」

 沙良羽さんが慌てて……いや、慌ててはいない。この館のメイド長の彼女は、とても手際良く動ける。

 何かが溢れてきたのだろうか?
 それは出さないと辛いモノだ。我慢させてしまっていたのかもしれない。出せるようになったのだろう。良かった。

「えっと、射精したい、咥えてくれる?」
 三人のメイドさんにお願いする。僕はこうやって舌と唇で愛されているだけじゃ射精できない。もっと包まれないと。
 僕を射精させないように愛するなんて、これまで無かった。もう、ミルクのためだけじゃないのだ。
 でも、やっぱり射精もしたい。でも、前より苦しくない。僕もこんなに我慢できた。

 三人のメイドさんには、しっかり三回の射精で応えた。

☆ 冷たい風、寒くはない

「ここは……館から出てしまうんじゃないんですか? 良いの?」
「詞露、まだそんなこと気にするの? ここはまだ館の一部よ。まあ、出てしまうとも言えるけど」
 お嬢様たちに連れられて、階段を登る。初めての扉。
 屋上? その言葉は知っているけど。

「いきなり屋上ですか? 窓でも開けてあげれば良いのに」
 遙愛は来たことがあるのだろうか。
「良い天気よ。私たちが詞露と一緒に行きたいのよ。詞露のためばかりじゃないわ」

「さあ、詞露、ここがあなたが居る場所よ」
 扉の先は明るい。目が慣れない。何があるのだろう。

 空。これが、空なのか。
 遠く輝く青。太陽が眩しい。
 本当に眩しいんだ、これが太陽……

 屋上は広い。これまで入ったことのある、一番広い部屋より広い。
 でも狭いことが解る。
 壁が無い、その先が見える。

 そこは本当に広かった。
 空と海。

 この館は小さな島の丘の上に建っている。それは聞いていた。観たことは無かったけど。

「広い……広いね」
 手を伸ばしてみる。何にも触れない。
 いや、風がある。光も感じる。
 でも、ぶつからない。広い。

 ふと心細くなる。何も捕まえられない。捕まえてくれない。
 こんな広い世界で、離れてしまったら……

「どうしたの? 詞露?」
 遙愛が僕の前に来る。手を伸ばせば届くだろう。
「何でもない。ありがとう、遙愛」
「何でもないのに、ありがとうなの? ふふっ……」
 遙愛は解っている。僕の感謝の理由が。
 僕は言わない。遙愛に言う必要は無いし、ちょっと恥ずかしい。

 僕はゆっくりと腕を伸ばし、大きく挙げる。
 大きく歩いてみる。
 こんなに自由に動けるなんて。なんて、広いんだろう。

 だんだん動きが速くなる。身体がちょっともどかしい。もっと動きたいのに、ついてこない感じ。

 僕のスカートが揺れる。いつものメイド服だ。
 脱いでしまいたい気もするけど……止めておこう。
 みんな我慢してくれてる。

「ふぅーっ……」
 疲れた。座り込み、寝転ぶ。

「詞露、休むなら戻りなさい。風が少し強いわ」
 紅華様が傍にしゃがみこむ。スカートの中が見える。

 確かに、風は少し冷たいかもしれない。
「冷たいのも気持ち良いけど……」
「そうかもね。これまで、ずっと包まれてたものね。暑かった?」
「ううん、暖かかった。うん、戻ろう。また来ても良いんですよね?」
「もちろんよ」

 遙愛に、紅華様に入れたい。でも、寒いかもしれないから。戻ろう。

 立ち上がって、遠くの水平線を観た。
 あの向こうに何かあるらしい。
 地図を観たことはある。

「遠い、のかな?」
「水平線までは約十五キロメートル。ここは高いから、そのくらいらしいわ。遠いと言う距離でもないみたい。でも、広いわよね。特に、詞露には」
 遙愛のその知識は、いつか僕に教えてくれるためだったのだろうか?

「詞露に見せるのが怖かったわ。ごめんね」
 緋映様がこっちを見ない。怒ってくれる時はまっすぐ見るのだけど。
「ありがとう、緋映。大丈夫、僕はキミの恋人だよ」
 緋映様の手を取る。抱き寄せてキスする。
 怒ったような表情を溶かす。

「緋映姉様だけじゃないですから」
「詞露、一緒に連れてってね。行くのでしょう? あの向こうへ」
 美赤様と紅華様もくっついてきた。

「はい、お嬢様、詞露、その先はお部屋に戻ってからね」
 遙愛に押されて扉の中に戻る。
 我慢できなくなる前に戻れた。
 心の中で、ありがとうと言った。遙愛が笑う。

 最後に振り返って、少し切り取られた空を観た。

☆ 美赤の手記 詞露と生殖のこと

 詞露に生殖能力は無い。膣内に射精されても、受精することはない。

 詞露のミルクは、女の子の口腔内か膣内でないと搾れない。射精できない。
 口腔で搾ったら飲んでしまう。膣内で搾るために、生殖能力が無いのは納得できる。

 彼の生殖能力は、削除されたのだろう。詞露の身体は、そのミルクを搾るために調整されたのだから。

 そう思っていた。

 でも、詞露のこと、その身体のルーツを調べてゆくと、そうではないのかもしれないことが解ってきた。

 抱師と呼ばれる性技師の伝説と、いくつかの記録がある。
 体内でパワーを精製凝縮し、仙薬と成し、それを主人の快楽のために提供する。

 薬効は副産物でしかない。第一の目的は、主人の快楽のため。性感だけでなく、味覚も楽しませる。
 身体を癒やし、強化するのは、快感を受けとめるためでもある。

 抱師たちも生殖能力は無いらしい。当然だろう。

 ただ、それは、抱師たちが違う生き物を目指し、そうなれたからだという説がある。
 例えば、人間は植物の花粉で受精はしない。

 詞露の出自ははっきりしない。記録が消されている。

 でも、もし、詞露がもともと、抱師と呼ばれる存在だったなら。
 記憶消去処置などを受けて、囚われていたとしたら。

 その精液は、違う生き物である人間の少女を受精させないだけなのかもしれない。

 詞露は今、抱師ではない。もしそうだったとしても、戻れる訳でもない。

 詞露は少し、いや、かなり変わった身体かもしれないが、人間の男の子だ。
 私たち姉妹のために、変わった身体にされた。

 そう、私たちを助けてくれた男の子だ。
 生殖能力は、薬効を持つミルクを搾るために、失わされたのだ。その可能性の方が高い。

 でも、そうでは無いとしたら。
 抱師という、違う存在だから、受精しないだけだとしたら。

 私はそのことを調べている。

 詞露はどこから来たのか。
 抱師という存在なのか。
 抱師と受精できる存在はあるのか。

 抱師たちのそのミルクはもう、生殖のためではない、果汁のようなモノになっているのかもしれない。
 そういう生き物を目指したのだろう。
 でも、それも解らない。

 もし、詞露が抱師と呼ばれる存在だったなら。
 生殖できないことが、私たち姉妹のせいではないとしたら。

 そうだとしても、何も変わらないけど。
 詞露は、私たち姉妹のために、非道いことをされたのだ。

 だけど、でも、それが解ったら、もう少し素直に詞露を愛せると思う。
 それは私のためだけど。

 それが解っても、詞露に伝える必要もない。
 私が少し素直になれるだけだ。
 調べても良いはずだ。

 でも、何で私はこっそり調べているのだろう。
 詞露と受精する可能性を。

☆ 緋映の手記 詞露という毒少年のこと

 詞露は可愛い。綺麗だ。
 格好良くもなれるだろう。
 必要無いけど。

 詞露に女物のメイド服を着せているのは、私たち姉妹の希望だ。
 似合う。
 詞露自身も気に入っているようだ。

 最初、何で怒らないのだろうかと思った。
 女物のメイド服を着せられて、何故、怒らないのだろう。

 従わなくてはならないと思っているのだろうと思った。
 何を着せられても、我慢して微笑むのだろうと思っていた。最初は。

 そうじゃないのだ。
 詞露は、最初に会った時、一応、男の子用の服を着せられていた。だから誤解してしまった。
 服なんか着たことは無かったのだ。閉じ込められていた間は。それが女物の服だとか、解らなかったはずだ。

 私たち姉妹は生きるために、痛みを止めるために、詞露の美味しいミルク、詞露の精液を飲まされていた。
 それを知った時、気持ち悪い、と思った。

 その少年のことを知った。
 閉じ込められ、身体を変えられたことを知った。
 ミルクを飲むのを少しの間止めて、痛み、苦しさを知った。癒やしてくれていたことが解った。
 でも。

 たくさんの女の子たちに囲まれ、好きなだけ射精させてもらえていた少年。
 同情すべきなのだろうか?

 意地悪しようとは思わなかったけど、優しくする必要も無いように思えた。
 彼の居場所を提供して、それなりに生きていけるようにしてあげれば、十分だ。そう思った。

 でも、詞露にはメイド服が良く似合った。
 詞露のオチン×ンを搾るにも、都合が良かった。それは必要なことなのだ。詞露自身も、出せないと苦しい。

 詞露の毒は、最初からその美味しいミルクに含まれている訳では無かった。いや、含まれていたけど、それはまだ毒では無かった。
 詞露に会って、惹かれて、嫉妬して、そのミルクは毒を含んだ。

 とんでもない少年を解放してしまったことが解ってきた。閉じ込めなくては、と思った。
 私はもう手遅れだ。せめて、まだ詞露に会っていない女の子を護らなくては。

 でも、詞露は外の世界を望んだ。
 詞露の毒にやられてしまった私に、抵抗できる訳が無かった。

 でも、まだ抵抗する。みんな、紅華姉様も美赤も、詞露に優しくしすぎなのだ。
 仕方ないけど。それが詞露の毒だ。

 私は少し耐性があるような気がする。
 できるだけ浮気を止める。

 それは、まだ詞露の毒にやられてない女の子を護るためだ。私が独り占めするためじゃない。
 独り占めなんてしてない。詞露の周りにはたくさん女の子が居る。

 つまり、そのくらい危険なのだ。私たち姉妹のために囚われていた少年は。

 私たちの、私のせいだ。我慢なんてさせない。させてはいけない。

 いつか私も、遙愛さんや明路空さんくらい強くなって、ひとりでも詞露を受け止められるくらいになって……

 他の女の子たちを護る。
 私のためじゃない。

 いや、私の、自分のためだ。解っている。
 だから、詞露を閉じ込めはしない。

 詞露に優しくしすぎない。
 我慢も教える。
 詞露が自分をコントロールできるなら、私なんかに閉じ込められはしない。

 そのために、耐える。
 優しくさせようとする毒に。

☆ 紅華の手記 詞露のミルクという魔法のこと

 詞露のミルクには、若返りと美容の効果もある。美味しく、身体を癒してくれるだけではない。

 その美容効果はまるで魔法だ。
 仮に美味しくなかったとしても、誰もが望むだろう。

 私たち姉妹は、痛みを止めるために、ずっとそのミルクを飲むことができた。もともと私たち姉妹のために搾られていたと言って良い。

 魔法のような若返りと美容の妙薬を飲み続けたらどうなるのか。

 自分の年齢に疑問を抱くことがある。もしかしたら、かなり永い時間を、そうと知らずに生きてしまったのではないか。詞露のミルクには、そんな効果もあるのではないか。

 若いまま、美しくされてゆく。
 それは私だけでもない。詞露にはたくさんの女の子が必要だ。

 それは女の子たちへのご褒美でもあるけど、詞露のためでもある。
 若く美しい女の子たちに搾られたいだろう。
 それを責めることでもないけど。

 海に棲んでいたという魔女の伝説を思い出す。年齢を重ねたはずの彼女は、魔法の知識と不思議な薬草によって、若さと美しさを保っていたという。

 その若さと美しさは、誰のために?
 もちろん、自分のためでもあるだろう。出会う人、全てのためでもある。
 でも、それだけ?

 魔女の魔法は、彼女を満足させたのだろうか。
 なんだか意地悪に描かれていた彼女は、訪れた青年を捕まえて、閉じ込めて……

 詞露を閉じ込めていたのが魔女だとしたら。
 その若さと美しさは、詞露のために。
 詞露に逃げられないために。

 あの青年は、別の恋人と逃げ出したのだっけ?
 魔女は取り残されたのだっけ?
 それはいい気味なのか、悲しいのか……

 詞露は大丈夫だ。
 連れて行ってくれるだろう。

 十分に優しい男の子にした。それに、詞露にはたくさんの女の子が必要だ。
 私たち姉妹も若く、美しく、詞露も求めてくれる。
 自分で言うのも何だけど、詞露のミルクのおかげだから、そう言ってしまおう。私たちは美しくなれた。

 その魔法はいったい、何処から……
 魔女は誰なのだろう。
 美赤が何か調べていた。いつか教えてくれるだろう。

☆ 遙愛の手記

 私の宝物があります。昔、詞露に着けられていた目隠しです。

 ただの包帯のような布です。これが、詞露の世界の全てでした。
 私より詞露に近かった唯一のもの。

 いや、私の方が近かったのでしょう。詞露の世界は、私たちの身体の感触だけでした。この目隠しは観てももらえなかったのでしょう。

 詞露を閉じ込めていてくれたのです。この目隠しが。
 私たち、そして、お嬢様たちのために。

 私はこの目隠しを外しませんでした。

 まだ詞露という名前が無かった彼が、目隠しされ、拘束されていることなど、どうでもよかったのです。
 彼のオチン×ンが全てでした。目隠しや拘束はむしろ都合が良かったのですが、そのことも考えなかった。

 彼がそれを嫌がっていないと知っていました。それは確かにそうだったのですが……
 詞露にとって、目隠しと拘束は、当たり前のことで、身体の一部のようなものでした。嫌がるとか、そういうものではなかったのです。気付いていなかった、とも少し違います。

 あの頃の詞露にあったのは、満たされない渇きだけでした。何度射精させても、満たされていないことが解りました。
 それは私たち、詞露を搾っていた女の子たちにも、望ましいことでした。いくらでも、彼のミルクが欲しかったから。

 目隠しを外してあげたら、どうなっていたのでしょうか。どんな目をしていたのでしょうか。
 その目を見られたくなかったのかもしれません。いや、私が見たくなかったのかもしれないです。

 こんなことを考えられるのも、お嬢様たちのおかげです。詞露と私たちを解放してくれました。
 私は詞露の特別と思われているけど、本当に詞露にとって特別なのは、お嬢様たちです。
 彼の目隠しを外したのは、お嬢様たちなのです。

 私は何もしてあげられなかった。
 それは、詞露が何もできなかったのと同じくらい、仕方ないことなのですが。
 あの部屋の外の世界があるなんて、私も知りませんでした。
 でも。

 でも、私は詞露の目隠しを外さなかった。外しませんでした。
 詞露が知らない世界を知っていたのに。少しだけでも、世界を広げてあげられたのに。
 それは良いことばかりじゃないけど。

 私はいつでも、外せたのに。
 詞露に会えたのに。お嬢様たちより先に。

 私が詞露から、どれほどのものを与えられてきたか。知っているのは私だけです。普通の女の子には耐えられないほどの、最高の美味と快感。そして、若く美しくなれること。

 だから、外さなかった。閉じ込めておいたのです。
 お嬢様たちには感謝しています。しきれません。

 詞露とお嬢様たちのために全てを差し出すなんて、当たり前すぎます。私には。
 私に全てをくれたのです。
 詞露に会わせてくれて、傍に居させてくれて。

 私は、詞露に慣れています。扱いにも慣れています。
 お嬢様たちは、そうではありません。私が必要でしょう。詞露のためにも。

 時には、詞露を止めます。たぶん、私にしかできないことです。詞露の身体、快感に一番耐えられる私だから。
 優しく締め落とすやり方は、お嬢様たちが教えてくれました。

 だから、私は安心して詞露に微笑むのです。

 止めてしまったとしても、それは何でもないこと。ただ、詞露のお手伝いをしただけです。
 その後、詞露は、私の膝の上で目覚めるのですから。

☆ いつか帰る場所から

 恋人がまた増えた。館の外から来てくれていた女の子たち。

 お客様として僕のミルクを搾りに来てくれていたお嬢様たち、メイドさんたちに、恋人になってほしいとお願いした。
 みんな恋人になってくれた。

 お金の心配は無かった。みんな、僕のミルクを買えるほどのお金持ちだったのだ。

 館は増築された。
 いつか、この館、この島から、何処かに行くだろう。
 でも、帰る場所があっても良い。帰るならここだ。

 みんなでプールに入る。新しく造られた。
 青空の下。輝く水。
 初めて空を観たのは、まだ肌寒い季節だった。

 みんな裸だ。僕も。
 水の中でもつながったりして、射精して。

 プールサイドにみんながお尻を列べる。次々にオマ×コに入れて、気持ち良くさせる。
 僕も気持ち良く射精する。みんな恋人だ。一人じゃ足りない僕を受け止めてくれて、求めてくれて。

「詞露君、何処に行くか、決めてる? 地図や写真、観てるわよね?」
 明路空さんに訊かれた。お尻を抱えてオマ×コに入れている。

 明路空さんはとても頼りになる。僕を導いてくれる。何を考えれば良いのか、教えてくれる。

 すぐに頭をよぎるのは、あの綺麗な森だ。手紙をくれた、あの娘たちの森。

「あの森、かな。手紙をくれる娘たちに、会いたい」
「そうよね、やっぱり。あんっ、そうして、また、恋人を増やすのよね。浮気者め」

「浮気者だけど、みんな恋人ですから。恋人にしちゃいますから。浮気でもないと思ってるんでしょう。狡い、善くない男の子ですよね」
 舞月姫さんはいつも明路空さんにくっついている。明路空さんのメイドを辞めた訳でもないから、当然だけど。

「詞露には一人じゃ足りないから、仕方無いわ。それは、詞露のせいじゃないし」
 紅華お嬢様が言うことは、その通りでもある。

 僕は、特別なミルクをたくさん搾られるために、特別な精力にされている。一日中搾られることができて、それでも出し足りないくらいの精力。
 ちょっと我慢すると、すぐに破裂しそうになる。
 でも、女の子の中でないと出せない。

 それは、遙愛ですら、一人じゃ受けとめきれない。女の子がたくさん必要だ。

 僕のミルクは美味しく、女の子を美しく健康にする。
 たくさん搾れるのは良いことだ。
 でも。

 これまで、搾ってくれていた女の子たちは、恋人じゃなかった。遙愛以外は。
 お客様や、お手伝いしてくれる女の子だった。

 その前は、僕を搾るために囚われていた性奴隷の女の子たちだった。
 最初の、一人だけの恋人になってくれた遙愛も、昔は僕を搾るための性奴隷の一人だった。

 その頃、当然、恋人は居なかった。

 でも、今は、みんな恋人だ。
 恋人が一人じゃ足りない僕の、勝手なお願いを叶えてくれた。

「恋人は一人だけ。詞露もそう思ってた。そう思ってくれてた。だから、私が独占しちゃってたわ。ごめんね、舞月姫。抜け駆けしてた」
 遙愛は舞月姫さんと仲が良い。昔からそうだったのだろう。名前が無かった頃から。

「遙愛、ごめんね。あなたは詞露の一人だけの恋人だったのに。みんなで割り込んじゃった」
「仕方ないのよ。私一人じゃ足りないんだもの」
「そうよね、ありがとう」
 舞月姫さんと遙愛がキスする。

 そして、明路空さんと僕を抱きしめる。僕たちを挟んで抱き合う。

 僕のオチン×ンが舞月姫さんに移ると、明路空さんが話し始めた。
「詞露君、この館から出て、行きたい所に行くために、会って欲しい娘が居るわ」

「あなたを閉じ込めなければならなかった理由のひとつ。あなたは危険だから、閉じ込めておけと言う人も居るわ」

「だけど、もっと問題なのは、あなたを利用しようとする人」

「その娘が、そうなの?」
「ええ、その娘だけじゃないけど、一番問題になりそうな娘」

「会って……お話? 説得? それとも……僕の虜にする?」
 会えばそうなるだろう。そうして良いのだろうか?

「あなたが悪い子になるなら、私の思い通り。どうする? 会う?」

 悪い子になりたいわけでもない。
 でも、善い子になりたいわけでもない。

「会いたい。会います。会わせて」
「解ったわ。紅華さん、緋映さん、美赤さん、良いわよね?」

「詞露にお願いされちゃった。仕方ないわ」
「気をつけてね」
「がんばってね、詞露」

 お嬢様たちは、心配してくれている。
 でも、明路空さんに会わせてくれた時のように、不安になってはいない。僕を信じてくれている。

 がんばろう。僕の夢のためだ。
 みんなが信じてくれている、僕の夢。

☆ 僕を我慢する優しい女の子たち

 その女の子たちと会ったのは、彼女たちの船の中だった。大きな船だ。島に上がるのを警戒しているらしい。

 綺麗な女の子たち、顔つきがそっくりだ。
「私、委良華(いらか)」
「私は真夜羽(まやは)よ。双子の姉妹よ。初めまして、詞露さん」
 二人の声も似ている。どっちが話しているのか、解らなくなりそうになる。

「明路空さんを奴隷に堕としたって聞いてたから、どんなに凄い男の子なのかと思ってたけど、たいしたことないわね」

「あなたの近くで我慢できる女の子は少ないでしょうけど、私たちを狂わせるほどじゃないわね」

 僕に会って、発情させる影響力を感じてくれているみたいだ。そして、我慢してくれている。

「明路空さんは奴隷じゃないです。恋人の一人です」

「ああ、そう言ってるのよね。あなた、気持ち悪いわ。奴隷と呼んでも同じなのに」
「違うんだけど……」
 違わないのかもしれない。この娘たちにとっては、そうなのだろう。

「詞露さん、私たちは、あなたに協力するわ。好きなだけ女の子たちとエッチさせてあげる。行きたい所に行かせてあげる。お金もあげる」

「私たちが紹介する女の子を虜にしてくれれば良いの。あなたも自分の才能が活かせるわよ。自分でやるより楽よ」

 笑い出しそうになるのをこらえる。この娘たちは、僕が恋人たちにお願いしたものを全部くれるらしい。

 それはとても楽なことだろう。
 そして、得られるモノ、僕がすることは変わらないようにも見える。
 この娘たちは何て優しいんだろう。

「そう、みんな僕に優しくしてくれる。僕の頼みを聞いてくれる。委良華さん、真夜羽さん、あなたたちが、僕を虜にできるなら、そんな僕の能力を使うこともできるかもね。僕を虜にできるなら」

「詞露さん、あなたの女の子を虜にする能力を貸してくれれば良いの。お金も出すし、あなたのしたいことのために協力するわ。あなたは、私たちが紹介する女の子を愛してくれるだけで良いの」

「私たちの提案を受けてくれないとしても、あなたがすることは同じでしょう。何も余計な手間をかけずに、私たちの協力を手に入れられるわ。お金も、自由も、望み通りよ」

 それを僕に言わなければ良いのに。ただ僕に女の子を誘導すれば良いのに。この娘たちも、僕にやられてる。

 この娘たちを僕に誘導したのは明路空さんだ。明路空さんは、僕の身体、僕の影響を知っている。知っていて、僕に会わせた。さすがだ。頼もしすぎる恋人だ。

「協力はできません。そろそろ帰らなきゃ。キミたちも危険だ。僕から離れた方が良いよ」

「何なの、あなた? 自信過剰なのね。まあ、そうなっちゃうわよね。仕方ないわ」

 真夜羽さんがベルを鳴らすと、綺麗な女の子たちが現れた。エッチに慣れていそうだ。
「この娘たちも、性奴隷として育てられて、強すぎて売り物にならなかった娘たちよ。あなたでも耐えられないと思うわ。ねえ、私たちの申し出を受ける?」

「ふふっ……ごめん、笑っちゃって……確かに強そうだ、ありがとう、会えて嬉しい。申し出は受けても良いよ。あなたたち二人が、みんなが、僕の恋人になってくれるなら」

「それは嫌。仕方ないわね。詞露さんは手強いのでしょうけど、どのくらいまで耐えられるかな? やっちゃって」

 女の子たちが押し寄せてくる。みんな発情している。僕に会ったら、こうなるのは仕方ない。まだ慣れてないし。

 先頭の女の子たちが、僕に触れるだけで倒れ込む。快感に耐えられない。
 うーん、ちょっと修行不足だなあ。まだ本気は出してないのに。

「えっ? あ……詞露さん、抑えてたのね? あなた、自分の影響力を、抑えることができたのね? こんなの、知らなかった、聞いてないわ、ん! 明路空さんが墜ちるわけだわ、あ、ん、油断したわ……」

「明路空さんは僕を解放してくれた。昔、拘束されていた頃の僕は、こんなものじゃなかったって、遙愛が言ってた。抑えられるようになったから、出られたんだ」

 優しく撫でる。それだけでみんなおとなしくなる。
 でも、せっかくだから、注いであげようかな。僕もだいぶ我慢してる。この娘たちも、自慢のオマ×コを使えないのは残念だろう。

 いや、ダメだ。この娘たちは恋人じゃない。お客様でもない。

「僕にはたくさん恋人が居る。だから、キミたちにはしてあげられない。退いて」

「あ、う……あなた、お嬢様たちを助けられる? 逃がさない、わ。助けて、お願い……」

 助ける? 僕が?

☆ 痛みを我慢する優しい女の子たち

 何人かの女の子が僕に触れようとした。触れて、満たされない快感に動けなくなる。

 強すぎて売り物にならなかったと言っていた。このくらいで?
 僕の恋人たちはもっと強いのに。

 僕の恋人たちを受け止められるのは、僕しかいないのかもしれない。我慢させないようにしなきゃ。

 この娘たちも、我慢していたのかもしれない。このくらいでも、受けとめてくれる人がいなかったのかも。
 会えて良かった。抱いてあげられる。我慢していたものを、出させてあげられる。

 いや、違う、この娘たちを抱くわけにはいかない。恋人でも、お客様でもない。

 身を護るだけなら、抱く必要はない。
 動けないくらいの快感で縛ったまま、ここから出れば良い。
 出られる。渇いたままの、この娘たちを残して。

 おかしい。それは非道いことだ。
 いや、おかしくもない。僕は自分を護ろうとしただけで、彼女たちを虜にもしなくて……
 いや、もう遅い。出会ってしまった。

「許さない……許さないわよ。こんなに発情させて、求めさせて、逃げるなんて」

 僕のミルクを注いであげれば、満足して、優しくなってくれるだろう。
 優しくすることができるだろう。
 明路空さんを優しくしてしまったように。

 そして、恋人になってくれるだろう。
 みんな幸せだろう。
 でも。

 いや、その方が良い。解ってる。ミルクを注いで、優しくしてしまう方が良い。
 そのまま恋人にしてしまえば、みんな、これまでの恋人たちも、受け入れてくれるだろう。
 それが、僕のやり方だ。

 いつまで続く? 恋人はどれだけ増える?
 全員、僕が望んだ? ちゃんと恋した?
 それとも、求めさせて、自分を護っただけ?

 僕が何処かに行くと、女の子に会うと、こうなるのだ。
 解ってた。解っていたはずだけど。

 真夜羽さんが委良華さんを抱きしめようとする。結構、強い。それでも、うまく動けてはいない。
 僕がしてあげないから、自分で、女の子たちで慰め合うしかない。そして、それでは満たされない。知ってる。

「詞露さん、良いわ。このまま帰りなさい。あなたに燃やされた身体、発情させられた心、癒やさないで。痛みを植えつけたまま、帰って。帰って!」

 痛いのか?
 そうだ、そうだろう。僕の発情させる影響力を受けて、そのまま、満たされない。
 それは、痛いだろう。

 僕もそうだ。女の子がいないと、射精できないと、痛いくらい張りつめる。痛くなる。

「ごめん、癒やしたい。できるから、僕のミルクを飲んでくれれば、痛みは消えるから……」

「あなたのオチン×ンを咥えて、じゅぽじゅぽ、ちゅぱちゅぱ、ご奉仕すれば良いのよね? あなたを気持ち良く射精させれば、痛みは消えて、幸せになれるんでしょ?」

「聞いてるわ。あなたの精液、美味しいんでしょ? 綺麗になれるのよね? そして、痛みも消してくれるんでしょ?」

「でも、嫌よ。好きでもない、恋人でもない、買われたわけでもない。あなたのオチン×ンを咥えるなんて、嫌よ。どんなに美味しくて、気持ち良くても。今さら、痛くなくなるなんて、嫌よ」

「痛みを止めるなんて、嫌。痛みを消さないなら、あなたの虜になっても良かった」

 あれ?
 その痛みは……
 今、僕が与えたものじゃ、ない?
 そんな気がする。

 そうだ、痛みを止めるのが嫌になるには、もっと時間がかかる。

「痛いの? 僕に会う前から、痛かったの?」

「そうよ。ずっと痛かったわ。でも、痛みなんて、我慢すれば良いのよ」

「痛みを止めるために死んでしまいたくなっても、我慢するのよ。死なない程度の痛みなんだから。あなたも、自分の痛みを止めるために、女の子を貪るなんて、許されないわよ」
 僕を受け入れない理由は、それ?

「私たちも、ずっと我慢したわ。紅華さん、緋映さん、美赤さんと同じ病気、痛みよ。なんとか生きられる薬を造ってもらったわ。でも、あなたのミルクのように、痛みを止める効果は無かった」

 僕のミルクが、その痛みを止められると知っていたらしい。でも、飲まなかったんだ。
 高価だったけど、この娘たちなら買えただろうに。

「今さら、痛みを止めるなんて、赦せないのよ。赦せない、痛みを止めるなんて。今さら、止めるなんて。ずっと、ずっと、痛かったのに」

「委良華は、ずっと我慢してたのに」
「真夜羽は、ずっと我慢してたのに」

 双子の姉妹がそれぞれ言ったのは、自分じゃなく、姉妹の名だろう。

 そうか、痛みじゃない。問題は痛みじゃない。
 痛くない他人を赦せない。
 痛くない自分を赦せない。
 嫉妬だ。

☆ 痛みを思い出すこと

 僕も、我慢し過ぎると痛くなる。
 女の子の中でしか出せない、女の子を虜にしないと癒やせない僕の痛み。

 我慢しすぎると、痛くなる。
 でも、そのとき本当に痛むのは、嫉妬する心かもしれない。

 誰に嫉妬するのか?
 普通の身体の人。痛くない人。
 そして、痛くても我慢しようとする、良い子の自分。

 誰もが痛みを感じるのだろう。その痛みは、それぞれ違うのだろう。

 他人の痛みがどれほど楽に見えても、替わることはできない。
 自分の痛みがどんなに耐え難くても、替わってもらうことはできない。

 それが、楽に見える痛みだったとしても、そんなこと、解らない。どっちの痛みが辛いかなんて。

 うらやみ、恨むことの方が、痛みより辛いのかもしれない。
 自分の痛みが、本当に世界で一番の痛みだったとしても。
 その痛みに更に上乗せして、余計に苦しくなるのに。

 でも、気付かない。我慢しすぎているから。
 うらやむことで、余計に苦しくなるのに。気付かずに、恨む。
 増える苦しさに気付かない。どうせ痛いから、我慢しているから。我慢が要らない人を赦せないから。

 僕も痛かった。助け出されてから、お嬢様たちに引き取られるまで。一番辛い時だった。

 でも、お嬢様たちも痛かったらしい。
 僕の精液と知って、癒やすミルクを飲むことを止めた時、痛かったらしい。
 その痛みは、僕の痛みより辛いものだったのかもしれない。

 笑っている人でも、自分より辛い痛みを感じているのかもしれない。感じていたのかもしれない。
 怖い。
 こんなに痛いのに、笑えるのか?

 いや、痛くないのだろう。
 そんなの、赦せない?
 赦せない。こんなに痛いのに。

 本当に、みんな、痛くないのか?
 それとも、痛いけど、みんな強いだけ? 自分が弱いだけ?

 赦せない。何で自分はこんなに弱い?
 強いみんなも、弱い自分も赦せない。

 赦せない僕を閉じ込めて、赦せないみんなを見ないように、目隠しして。
 それでも、痛くない誰かを、弱い自分を、恨み続けて。

 どうすれば、赦せるのだろう?
 赦してもらえるのだろう?
 解らない。

 でも、この娘たちのためなら、ひとつ、やり方を知ってる。
 飲んでくれれば。僕のミルクを飲ませれば。
 痛みは消えて、優しくなって。

 それでも、あれほど恨んでいた自分は、赦せないかもしれない。
 怖いだろうな。
 僕を求めることを、我慢できてしまうだろう。
 我慢なんてできないくらい、発情させているのに。

 治すには、切らなきゃならないこともある。
 必ず痛いわけでもない。麻酔もある。
 でも、麻酔の針、その最初の痛みだけは。
 いや、大丈夫だ。この娘たちは、痛みに強い。

 待っているだけでは、できなかったこと。
 望まない女の子に注いだことはある。
 今回が初めてだったら、できなかったかもしれない。良かった。明路空さんに感謝。

 動けない委良華さんの唇を指先で開ける。舌に触れる。噛まない。そう、それほど動けなくしている。直接触れて、快感を送っている。

「あう……飲ませるの? 止めて、止めてよ、癒やさないで! あなたの精液の美味しさ、教えないで! そんなの、変だって、解るでしょ?」

「うん、変だ。おかしい。でも、可愛い女の子にオチン×ンを咥えて欲しいと思うのは、変じゃない」

「僕はそれが気持ち良い。そうしないと苦しくなる。そうして欲しいと思うのは、変じゃない」

「そのことで、癒してしまうのがおかしい。美味しくて、飲みたくなってしまうのがおかしい。僕は、そういう生き物らしい。美味しく飲ませて、癒して、優しくさせて……僕は気持ち良く射精する」

「それは、そのことは、とても痛い。でも、我慢するよ」

 無理やりする時に痛む心が、痛い。

 僕はオチン×ンを咥えてほしいだけなのだ。
 そのために、こんな、いやらしい身体になったのだろう。

 でも、この娘たちの痛みを、少しでも癒せる。
 そのことが痛いのは、たぶん、おかしい。
 でも、我慢しなきゃ。

☆ 夢に渇いていること

 みんながミルクと呼ぶ僕の精液。それは、例えだと思っていた。

 でも、それは、やっぱりミルクだったのだ。美味しく身体に良い飲み物。動物が身体から出すもので、ひとつだけ、好んで飲まれるもの。

 でも、それは、やっぱり僕のオチン×ンから出る。だから、勘違いする。精液と間違える。

 いや、間違ってもいない。やっぱり精液で、僕は気持ち良くなる。他の液体を出すこととは別の気持ち良さ。

 気持ち良くなる。
 痛くなくなるどころではない。
 でも、だから、それが痛い。心が痛む。

 痛みを消してあげられる。
 僕のミルクの薬効で。
 そのために、僕は気持ち良くなる。
 僕の痛みも消えて、快感に逆転する。

 おかしい。痛みとは違う。
 射精を我慢することが辛いのは、傷の痛みとは違う。

 心の痛み。
 渇き。

 綺麗な、美味しそうな水に囲まれて、でも、その水を飲むことは禁じられている。
 そんな感じだ。

 その水には毒が溶けているのだろう。でも、飲まないなら、分からない。関係ない。本当に、毒なのか? そう言われているけど。

 我慢するために、自分を傷つけて、血を舐める。美味しい。渇いているから。
 傷の痛みは、辛くない。
 渇きの方が辛いから。

 水には、本当に毒が入っているのだろうか?
 僕が口をつけると、汚してしまうから、毒があると教えられて……

 頭を振る。考えすぎた。

 やっぱり、僕はお利口じゃない。
 僕には何も禁じられていないのに。

 禁じたのは、僕だ。
 毒を混ぜたのは、僕だ。

 癒やすだけなら、身体に良いだけなら、美味しくなる必要は無かった。優しくしてしまう必要は無かった。

 優しくなりたくなかった明路空さんは、僕のミルクを我慢した。

 だから、僕に色々教えてくれることができた。僕を解放してくれることができた。
 女の子を壊してしまったこと、お嬢様たちのために閉じ込められ、搾られていたこと、僕に教えてくれることができた。

 僕のミルクのことを知って、我慢する。
 それはそうだ。
 気持ち悪いだろう。オチン×ンから出るのだから。
 そして、怖いだろう。その効果を聞いたら。僕に、そのミルクに支配されると思うだろう。

 だから、僕は閉じ込められていたのかもしれない。
 僕が何も望まなければ、僕に支配されても関係ない。

 知らなければ、望みようがない。会ったこともない、知らない女の子に、何も望みようがない。

 でも、その女の子たちは、僕に会いたくなって、僕の望みを叶えたくなって……

 僕が何を望むか、知りたくなって。

 僕は、目隠しの外を知って。
 部屋から出て。
 館から出て。

 でも、まだ、知らないのかもしれない。
 自分が何を望むのか。
 何を望めるのか。
 まだ見ぬ世界に、それがあるのか。

 もしかしたら、ずっと探し続けるのかもしれない。みんなそうなのかもしれない。

 目隠し、部屋、館、外。
 たぶん次は、水平線の先。

 何処まで行く? 何処で止まる?

 そのうち、この星から出る?
 それはない、たぶん……
 でも、じゃあ、何処へ?

「詞露さん、あなた、どうするの? 何を見てるの? 何故、あなたを観てると、変な気持ちになるの? あなた、自分のこと、解らないの?」

「解らないのね。そうよね。他の所へ行きたいんでしょ? 解らない人の望みだわ。まだ知らない何かに期待してるのよね。そんなもの、無いのに」

 委良華さん、真夜羽さんは落ち着いてきている。僕を押し倒そうとした女の子たちも。
 もう、動けるのかもしれない。

 以前、心を壊してしまった女の子たちを直した時も、こんな感じだった。まだ飲ませてないのに、心が戻った。

 飲ませなくても治せるのだ。
 僕の発情させる影響力が、僕の心に反応して変化して、彼女たちの心を治すのかもしれない。うらやみを、恨みを、融かすのかもしれない。

「帰るよ。痛みを植えつけたまま、このまま、帰るよ。ごめんなさい、申し出は受けられない。僕は、もう、女の子を虜にできないかも。いや、これまでも、できなかった」
 そんな痛いことは、僕にはできない。
 弱い僕にできるのは、美味しくなって、優しくさせて、気持ち良く搾ってもらうことだけだ。

☆ 教えてもらったこと

 僕は弱い。

 女の子を虜にする能力があるのに、できない。昔、精神を壊してしまったのは、本当に虜にしそうになったからかもしれない。

 昔の痛みは、ほとんど消えている。
 破裂しそうになるもやもやは、消えてないけど、昔ほど辛くない。
 恋人たちに搾ってもらえば大丈夫だ。

 あれほど恨んだ、うらやんだ、痛くない人になった。なっていた。
 やっと気付いた。そのことに。

 なんてことだ。
 痛くない人は、嗤っていなかったのだ。
 嗤うのは、痛いからだ。

 痛くない人は、痛みに悶える僕を見て、嗤ったりしなかったのだ。
 悲しくなるだけだった。悲しませていただけ。

 だから、笑いかけてくれていた。痛がる僕を心配して。

 でも、その笑顔は、痛がる僕を楽しんでいるように見えた。いや、そう思い込もうとした。恨むために。

 僕のミルクの薬効のひとつ。痛みを消すこと。
 やっと自分に効いたのかもしれない。

 優しくさせる毒。
 そう、毒だ。こんなに辛い。
 悲しくさせる毒だ。

 快感が足りない。
 僕のミルクは、その美味しさで、快感で、悲しみも癒すのだろう。
 その美味しさは、僕には効いてない。飲んでもいないのだから、当然だけど。

「ありがとう、委良華さん、真夜羽さん。ありがとう、会えて嬉しい。会えて良かった」
 帰らなきゃ。恋人たちの所へ。
 でも、身体に力が入らない。立てない。

「詞露さん、辛そうね。今のあなた、虜にできそう。さっきの、動けないくらいの発情力は消えてるし。でも、今のあなたを虜にしても、使い途は無さそうね」

「美味しい精液、搾ってあげたくなる気持ちが解るわ。あなたの精液、最初に搾ってあげた娘は、あなたが可哀想だったからかもね。美味しいなんて、知らなかったはずだもの」

 今の委良華さん、真夜羽さんなら、飲んでくれるかもしれない。飲んでくれれば、その痛みを癒やせる。
 お嬢様たちと同じ痛み、癒したい。

 でも、彼女たちは、我慢できる。
 今、心が騒いでもいない。嫉妬の苦しみは、今だけかもしれないけど、止まってるみたいだ。
 飲ませる理由は無い。彼女たちが望まないなら。

 頼めば、飲んでくれるかもしれない。今なら。
 飲みたくなかった、痛みを消したくなかった心も、変わったのかもしれない。
 でも。

 いや、頼まなきゃ。
 待ってちゃダメだ。

 今の僕は、彼女たちのお願いを待っている。
 彼女たちは、大丈夫なのに、飲まなくても良いのに。
 飲ませて、とお願いしてくれるのを待ってる。

 優しい娘たちだから。みんな優しいから。
 僕を心配して、飲ませてと言ってくれるはずだ。言ってくれるだろう。

 その前に、頼まないと。僕から言わないと。

「お願い、僕のミルク、飲んでくれませんか? 美味しくて、痛みは消える。でも、そのためじゃなくて、僕が辛いから。女の子の中でないと、出せないから。気持ち良くなりたい」

「恋人に頼むことよね。でも、解るわ。私たちの痛みを消さないと、我慢できないのよね。ごめんね、痛いこと、話してしまって。我慢できなかったの」
 違う。僕が訊いた。

「でも、私たち、あなたの恋人じゃないわ。客でもないわ。それとも、あなたが、私たちを買う? そうね、お値段によっては、考えても良いわよ」

 恋人になれば、飲んでくれる。
 僕のお願いを待っているのかもしれない。

 ちゃんと好きになったか?
 なってる。
 恋人にできるか?
 できる。

 でも、何か、違う。
 たぶん。

 助けて、と言われた。

 僕に助けてと言ったのは、双子の姉妹ではない。
 彼女たちをお嬢様と呼んだ少女。売り物にならないほど強い性奴隷だったらしい。

 委良華さん真夜羽さんは、何故この少女たちを従えているのだろう。
 いや、従えているのではないのかもしれない。ないのだろう。

 僕が壊してしまった女の子たちを保護していてくれた明路空さん。
 僕を、遙愛を保護してくれたお嬢様たち。
 沙良羽さんや館のメイドたちも、お嬢様たちに保護されているとも言える。

 委良華さん真夜羽さんも、この娘たちを保護してくれているのだろう。
 そんな二人を、助けて、と、この娘は言った。僕に言った。

「何で、何で、みんな、こんなに優しいんだろう? まだ飲ませてないのに」

「いや、解る。僕に会ったら、飲みたくなる、エッチしたくなる。知ってる。だから優しくしてくれる。それも知ってる」

「優しい女の子、好きにならないわけがない。僕が好きになっちゃうんだ。みんな優しくして、求めさせて、きちんと好きになっちゃって。だから、飲ませてあげられる。飲んでもらえる。でも」

「まだ、違う。まだ早い。まだ、恋人にしてもらってない」

 僕は双子姉妹に両手を差し出す。手のひらを上に。遙愛がしてくれるように。

「委良華さん、真夜羽さん、僕がこれから先、恋人になって、とお願いする女の子、どのくらいいるか、解る? 予想できる? 僕は、外の世界をよく知らない」

「たぶん、世界中の女の子、全員じゃない。これから会う女の子、全員じゃない。でも、まだ増える。たぶん」

「そうね、あなたのこと、必要なのは、恋人にするべきなのは、あなたにしか受け止められないような、強すぎる性奴隷だった娘たち」

「そして、私たちや、あなたのお嬢様たちのような、あなたにしか癒やせない病気の娘たち。あなたが恋人にしたくなるのは、そんな娘たちでしょう」

「たくさん居るわ。この病気、痛みで苦しい娘、他にも知ってるわ。紅華さんたちは知らないでしょう。隠してあるから」

「隠してあるの?」
「そう、私たち、仲間を探したわ。そうして見つけた紅華さんたち姉妹が、あなたのおかげで、痛みを止めていたと知った時、赦せなかったわ。あなたが助け出されて、あなたのミルクを買えるようになって、でも」

「足りないと思った。みんな、みんなが癒されなきゃ、足りないわ。紅華さん、緋映さん、美赤さんのこと、赦せなかったんだから。足りないなら、飲みたくなかった。痛い娘がまだまだいるのに。痛くなくなったら、赦されないわ。紅華さんたちを赦せなかったんだもの」

「ありがとう、教えてくれて。じゃあ、その娘たち、痛みを我慢してる娘たち、全員に飲ませるなら……それなら、飲んでくれる?」

「できるの? 無理よ。匿うために造った、ある国の女の子、全員そうなのよ」

「いいえ、でも、飲ませなくても良い。あなたと会って、会えば、こうなるの? 苦しさ、痛み、まだ、あるけど……あんなに苦しかったのとは、違う。会うだけで、こんなに楽にできるの? それなら……」

「ごめん、会うだけじゃ、僕が苦しい。いや、でも、我慢しても良い。できる。ごめん、そろそろ、本当に辛い。帰るよ。恋人たちに、搾ってもらわないと」

「ごめんね、引き留めすぎたわね。また、来て。お話しましょう。お願い、みんな、助けて」

☆ 恋人にお願いされること

「詞露、助けて、助けてあげて、お願い!」
 緋映様にお願いされた。

 委良華さん真夜羽さんの船から戻って、恋人たちに事情を話した。

 我慢していた射精は、遙愛と舞月姫さんが受け止めてくれている。これから、全員満たしてしまって、それでも出し足りないかもしれない。

「助けてあげて。私たちは、その痛み、知ってるわ。死ななくても、おかしくなるわ」
「詞露のミルクで癒されること、知ってる。お願い、癒してあげて」
 紅華様、美赤様にもお願いされる。

「うん、癒したい。恋人のお願い、聞いちゃった。もちろん、叶えるよ。僕にできることなら」
 紅華様、緋映様の言葉を真似してみる。
 この言葉を言うって、こんなに気持ち良いんだ。

 癒すことは、もう決めていたけど。お願いされる前から。
 そのことは、遙愛じゃなくても解ってしまうかもしれない。でも、緋映様はお願いしてくれた。

「ありがとう、詞露。このお願い、叶ったら、どれだけ感謝して、お礼すれば良いのかしら? 大変かも。でも、楽しみね」
 緋映様が、僕の言葉を真似している。あの言葉も、気持ち良かった。

「詞露を喜ばせることができるのか、どれだけ喜んでもらえるのか、どんな笑顔が見られるのか。がんばろうっと」
 美赤様も、あの時の言葉を覚えている。美赤様なら、忘れないだろうけど。

「お嬢様、詞露さんへのお礼は、私どもにも手伝わせてくださいませ。詞露さん、あなたが、女の子たちに飲ませるお手伝いも、させてくださいませ。詞露さんのご褒美、約束のご褒美、これで良いです。詞露さんのお手伝い、させてください」
 沙良羽さんの言葉に、みんな肯く。お嬢様たちも。

 やっぱり、僕には恋人たちが必要なのだ。嬉しい。そのことが、とても嬉しい。

「ありがとう、みんな、好きだよ。愛してる」
 みんな、うっとりと震える。絶頂しているのかもしれない。僕の発情力が暴走しているのかも。

 でも、恋人だから。
 問題ない。それで良い。
 僕の恋人たちは、僕のことを、こうなることを知っている。

「んあっ、んく、詞露、溜めすぎね。いや、期待してる? これから、もっとたくさんの女の子に飲ませるのよね。たくさん出すつもりね」
 オチン×ンを咥えてくれていた遙愛が、舞月姫さんと交代した。止まらない射精が続いている。

 舞月姫さんのお口の中で、射精の続きが始まる。絡みついてくる舌、気持ち良い。

 出しすぎ、出すぎだ。
 みんなお腹いっぱいになって、それでも出し足りなかったら……
 オマ×コにも出して、いっぱいになったオマ×コから容器に移して、またそのオマ×コで出して……

 僕はいつか、永遠に射精し続けるのかもしれない。女の子の中でしか出せない僕が。

 どっちが足りなくなるだろう?
 受け止めてくれる女の子?
 それとも、僕のミルク?
 たぶん、足りなくなるのは時間だけど。

 射精し続けて、ずっと女の子の中に居て……
 それはとても良い、気持ち良い。
 僕だけじゃない、みんな気持ち良い。

 でも、それだけでは足りなくなるだろう。
 射精することが、僕を射精させることが全てになったら、何か足りなくなるだろう。

 舞月姫さんのお口の中で、射精の勢いが弱まってきた。舌の感触が優しくなる。
 射精が終わり、飲み干され、優しく舐めあげられてから解放される。

 そう、解放される。
 僕のオチン×ンは、すぐに閉じ込められたがるけど。
 女の子の中に入りたがるけど、そうしないと出せない、苦しいけど。

 そればかりじゃ、閉じ込められてしまう。
 僕だけじゃなく、女の子たちも。

「おかしいわ。詞露のミルクに飢えてないわ。もちろん飲みたい。飲ませてくれるなら、嬉しいわ。でも、我慢できないほどじゃないわ」

「詞露もどんどん変わるわね。それはそうね。外に出るのだもの」

「詞露さん、あの時の約束、守るんですね。お嬢様、やっとですよ。あの時のマシュマロ、詞露さんも喜んでましたね」
 以前、僕の夢を聴いてくれたメイドさんだ。彼女のお嬢様にも会えた。二人とも、今は僕の恋人だ。

「行ったことのない所へ、連れて行ってくれるんですね。みんな一緒に。でも、まだちょっと、覚悟は足りないかな?」
「大丈夫よ。私たちも居るもの。それに、詞露君はこれで良いわ。迷う詞露君、可愛いわよ」
 可愛いと言われるのは嬉しい。僕の恋人たちは、みんな可愛いから、僕もそうなりたい。

 今、大きな船が来ている。委良華さん、真夜羽さんの船。
 僕の恋人たちも、みんな乗れるだろう。

☆ 船は行く、恋人たちを乗せて

 委良華さん真夜羽さんの船で、その国に行くことになった。恋人たちも一緒だ。
 船旅も楽しい。

 僕のミルクは変わったらしい。少し変えた。
 薬効が強くなった。
 僕の心で変わる。それは、昔からそうだった。

 ほんの一滴舐めるだけで、委良華さん、真夜羽さんの痛みは消えたらしい。
 薬なら、それが良い。それが薬だ。
 お腹いっぱいになるまで飲むのはおかしい。

「これなら、詞露さんに来てもらう必要は無かったかも。あなたのミルクを買えば良かったかも。一滴で済むなら、足りそう」

「どのくらい効果が続くのかしら。紅華さんたちは、飲み続けなければダメだったのよね?」

「どうかしらね。もう、治っちゃってるかも。詞露のミルク、飲み続けてたから、解らないわ。でも、確かめるために止めるのは嫌よ。私たち、詞露の恋人だもの。詞露のこと求めて良いはずよ」
 緋映様の言うことはその通りだ。

「私たちが確かめるわ。まだ、詞露さんの恋人にしてもらってないから。詞露さんにお願いした、私たちが」
 真夜羽さんが確かめると言う。まだ、恋人にしてもらうわけにはいかないみたいだ。

「そうね、でも、また痛くなったら、飲めるのね。美味しかったわ。一滴だけなんて……でも、我慢するわ。詞露さんのミルクを飲ませてもらうために痛くなるなんて、嫌よ。痛くなくなって、痛みを止めるためじゃなくなって、それから飲みたいわ。できれば、直接……詞露さんのオチン×ンから」
 頬を染める委良華さんは可愛い。

「委良華、そのためには、詞露さんの恋人にならなきゃ。がんばりましょ。真夜羽も、委良華と一緒に、詞露さんの恋人になりたいわ。委良華と一緒に、二人で恋人になりたいと思える男の子、たぶん、他に居ないわ」

「美赤さん、以前、詞露君のミルクを飲むことを止めた時、痛くなったって言ってたわよね。その時の期間と比べて、どう? 委良華と真夜羽はどのくらい我慢すれば良いと思う? 痛みが治ったと判断するまで」
 明路空さんは本当に頼りになる。美赤様も。

「そうね、この船旅が終わるまでで良いでしょう」
「ありがとう。聞いたわね、委良華、真夜羽。それまで、詞露君に告白する方法でも考えておきなさい」
 僕はまだ、告白されていないらしい。
 そう、そうだ。痛くなくなってから。
 委良華さんもそう言ってた。

「毒のある生き物を優しくするなんて、残酷なことするのねって、そう思ってたわ。でも、そうね、薬だものね。少しだけの毒を薬にする、よく聞くことだわ」

「詞露君が望まないと造れない薬、出来たのね。詞露君を優しくした、紅華さんたちの勝ちね」
 明路空さんがため息をつく。

「詞露君、あなたには、私たちの全てを望む権利があるわ。でも、あなたの恋人になるのは、あなたのためじゃない。私たちが望んだの。だって、あなた、そうしないと、受け取ってくれないもの。私たちの感謝。全てをもらってほしいのに」

「でも、多すぎますよね。だから、詞露さんを渇かせておきたかったけど。みんなを受け取っても、足りないくらいに。ごめんなさい」
 舞月姫さんはそうだ。近くに居るだけで、僕を発情させる。
 でも、それを我慢していてくれた。僕に知らせないで、会わないでいてくれた。

「舞月姫、渇かせてくれて良かった。僕から離れていてくれたのが、舞月姫の優しさだけど、会えた方が嬉しい。でも、それもありがとう。久しぶりに会った時、渇きが満たされた。舞月姫に会えなくて、渇いてた」

「渇くから、満たされるんだ。みんなそうでしょ? 知ってる。でも、渇かせすぎたりしないよ。だって、僕も、搾ってほしい」
 舞月姫さんと明路空さんが、両側からキスしてくれる。僕のオチン×ンを挟んでの、お嬢様な女の子と彼女の恋人メイドのキス。

 僕を奪いあって、でも協力して、求めあって、与えあって……
 三人、だけど、二人が三組。だけど、やっぱり三人一組。

 他の恋人たちも、たくさんの組み合わせで愛し合う。僕が含まれないこともある。
 でも、僕が一人になることはない。僕は果報者なのだ。

☆ 僕の国には、青い空と海がある

 その国に着いた。ここも、島だった。でも、あの島よりかなり大きい。

 僕の少し新しいミルクは、遙愛やお嬢様たち、沙良羽さんやメイドたち、お客様だった娘たち……恋人たちが搾ってくれた。

 この国の女の子たち、紅華様、緋映様、美赤様と同じ病気、痛みを持つ女の子たちに、行き渡った。

 みんな、たった一滴で、痛みは止まり、治ってしまったらしい。
 もともと、残っていたのは痛みだけだった。生きられるための薬はあった。
 でも、その薬も要らなくなった。そして、それ以上僕のミルクを飲む必要も無いらしい。

 全員治った。
 パーティーが開かれると言う。
 委良華さん、真夜羽さんが招待してくれるらしい。僕と、僕の恋人たちを。

 その国で一番立派な館。委良華さんと真夜羽さんの館だ。僕たちもここに居る。
 まだ、他の所には行っていない。

「詞露さん、ありがとう。紅華さん、緋映さん、美赤さん、遙愛さん、明路空さん、舞月姫さん、沙良羽さん……詞露さんの恋人たち、みんな、ありがとう」
 僕の恋人はたくさん居る。みんな、手伝ってくれた。みんなのおかげだ。僕のミルクは、みんながいないと搾れない。

「この国の女の子たちには、詞露さんのことは教えていません。誰のおかげで助かったのか、教えていません。それは、申し訳ないと思います。それが精液だと教える必要はありません。でも、詞露さんのおかげだと教えることはできます。それはできます。でも」

「教えてしまったら。会いたがるでしょう。そして、会ってしまったら、好きになるわ」

「発情させる影響力を抑えても、そのメイド服を着替えても、たくさんの恋人が居ることを知らせても。こんな可愛い男の子に助けられたこと、知ったら。感謝できると知ったら。好きになるわ」

「もちろん、好きになっても、独占もしないわ。好き、と伝えることも迷うわ。詞露さんには、こんなに素敵な恋人、たくさん居るし。でも、助けられて、それは、感謝して良いはずで、何か、してあげたくて、受け取って欲しくて、でも、我慢して……ちょっと、苦しくなるわ」

「委良華さん、真夜羽さん、ありがとう。とっても嬉しい。二人のおかげだ」

「でも、感謝されるには、僕は足りないのかな。いや、知ってる。足りない。みんなに愛してもらって、それなりに満たして、でも、足りない。でも、十分なはずだ。僕から離れることも、できるはずだ」

「ひとつ、わがまま、させてほしい。みんなに、会いたい。感謝されると教えてもらって、会いたいとお願いするのは、ちょっと恥ずかしい。でも、会いたい。もう、虜にしないこと、確かめたい」

「してくれないのね。もう。虜にしてくれないのね。解ってたわ。知ってた」
「我慢してた、強すぎた性奴隷の女の子たちも、あなたに会っただけで落ち着いたわ。あんなに射精し続ける、それで平気な男の子、壊せない男の子、居るって解って、その男の子が、心配してくれるって解って……」

「でも、お願いすれば良いのよね。感謝とは違うわ。感謝もあるけど、それは、詞露さんにお願いするための口実だわ」

「難しいわ。我慢しすぎてはダメで、でも、我慢も必要で。ここで、あなたにお願いするのは、どっちなのかな」

「詞露さん、お願い、あなたの恋人にしてください。もう、あなたのミルク、必要じゃないから。あなたが居なくなっても、大丈夫だから。虜にされてないから。だから、恋人にしてください」

 委良華さんと真夜羽さん。双子姉妹の声は、見事に重なった。
 僕は聴き惚れていた。

 双子の姉妹と、彼女たちが保護していた性奴隷だった女の子たち。
 みんな、恋人になってくれた。

 お願いと承諾の言葉は、全員に言ったような、聴いたような気がする。
 みんな、僕のオチン×ンを欲しがる。美味しいミルクのために、僕に触れる快楽のために、僕が気持ち良くなるために。

「また、増えたわね。詞露の恋人」
「詞露、この国、あなたのものよ。あなたの国。あなたの恋人たちの国」
「あなたが望んだのよ。みんなに会いたいって。あなたのこと、我慢できる訳無いわ。お願いすれば、聞いてくれちゃうんだから」

 その後、その国で、何日も過ごした。
 少し大きな島を隅々まで歩き回った。

 綺麗な島だ。初めて観る景色だけど、青い空と海は、あの島と同じように。

 その国に居た女の子たち、みんなに出会った。

☆ 恋人に怒ること

「ねえ、詞露、私があなたのミルクでしか生きられないこと、あなたが女の子の中でしか出せないこと、直したい?」
 いきなり、遙愛に訊かれた。

「うん、直したい」
 そうだ。そんなことがなくなっても、一緒に居られる。居てくれる。

「記憶が消えるとしても? みんなのことも忘れて、私のことも忘れて、私もあなたのことを忘れて、そうすれば、直せるとしたら、直したい?」

「……うん、直したい。また、出会うさ。また、出会えば良い。だって、このままじゃ、僕に何かあったら、遙愛は困る」

「やっぱり、そう言ってくれるわよね。知ってた。でも、ありがとう」

「さっき飲ませた薬で、記憶が消えるわ。私もがんばって飲んだわ。あなたのミルクに混ぜて。直るわよ」

「……何で、飲ませる前に訊いてくれなかったの? 何で、教えたの?」

「ごめんね、詞露。勝手なことをして、あなたに謝りたかった。あなたのせいよ。あなたの毒のせい。でも、ごめんね」

「遙愛、遙愛! 忘れるなんて、嫌だ! 直したくない! 直りたくない! 嫌だ! 何で……」
「ごめんね、詞露。また、出会おう。怒って良いよ。いくらでも怒って。詞露を怒らせること、できたのね、私には。みんな、できなかったのに。やっぱり遙愛は詞露の特別ね。ありがとう」

 僕は怒って、怒りながら遙愛を抱いて……

 手紙を書いた。

「忘れてしまうこと、書いておくのよ。忘れちゃった私に、また、怒ってくれるために」
 長い手紙を書く。みんな手伝ってくれた。

「でも、私のことなんて忘れて、忘れられて、新しくやり直しても良いのよ。もう、私も詞露も、自由になるんだから。私も、詞露がいなくても、生きられるようになるんだから。私から逃れるチャンスよ。もっと広い世界に出られるわよ」

「逃がさない。遙愛は逃がさない。広い世界なんて、要らない。遙愛がいないなら、要らない」

「手紙、書きなさい。届けてくれるわ。届くわ。忘れたあなたへ」

「届けます。届けるわ。約束する」
 お嬢様たちが泣いている。泣かせてしまった。
 記憶を消す薬を遙愛に渡したのは、お嬢様たちらしいのに。

 いや、みんな泣いてる。僕も。
 僕が笑わなきゃ、止まらないだろう。
 でも、でも……

☆ 名前を忘れた少年が目覚めること

 あれ? 目が覚めた?
 気持ち良い……

 女の子? 一人じゃない、たくさんの女の子たちが、周りに、僕を抱きしめて……
 一人が僕のオチン×ンを咥えている。愛しげに舐める舌。
 あ……射精……気持ち良い。

 美味しそうに飲んでる。
 射精、止まらないな……女の子が交代する? そうだ、飲みきれないだろう。
 交代する時も止まらない。お顔に浴びせてしまった。

「詞露! いえ、愛凰(あお)様、出せるのね。女の子の中じゃなくても、出せるようになったのね」

「愛凰? 僕の名前?」
 詞露って、何のことだったんだろう?

「ええ、愛凰様。あなたが決めた、あなたの名前です」

「あなたたちは?」
「愛凰様にお仕えする者です」

「んっ、止まらない、止まらないんだけど……キミたちに出して良いの? こんなに……」
 射精が止まらない。もう三人目のお口に移っている。

「皆、愛凰様に注いでいただけることを望んでいます。お口でも、オマ×コでも、そして、顔や身体でも。お好きなようにお使いください。命じてくださいませ」

「僕は、何なの? 大金持ち? 王様?」

「どちらも正解です。この国は、愛凰様のモノです。皆、愛凰様のモノになりたいと思っております」

「愛凰様のミルク、精液は特別です。最高に美味しく、気持ち良く、身体に良く、美しくしていただけて、そして、癒していただけます」

「僕の精液が欲しいの? 僕はただ、精液を、みんなに注げば良いの?」

「ええ、欲しいです。注いでいただけたら、嬉しいです。しかし、それは、愛凰様の自由です。ただ、私たちは、求めています」

「……ふーん……」

 止まらない射精は、次の娘のオマ×コで続いている。やっと弱まってきた。
 やっと、止まった。でも、オチン×ンは萎えない。隣の娘のオマ×コが交代する。

「たぶん、おかしいよね、この身体。でも、思い出せない。言葉は解るのに。僕は愛凰って言われても、解らない。僕は、ここは、何なの?」

「お教えします。私たちにできること、致します。でも、まずは、ゆっくりと周りを観てみませんか? お食事を用意しております」

 何日かかけて、周りの世界を観た。

 小さな国。島としては、少し大きい。
 これが、僕の国らしい。

 綺麗な海。綺麗な空。
 綺麗な女の子たち。

 みんな優しい。優しすぎるくらいに。
 何故か僕は、少し、いらいらしていた。
 怒ることなんて無かったのに。

「昔の僕は、何だったの? 知らない?」
「存じております」
「教えて」

 差し出されたのは、一通の手紙だった。

☆ 彼からの手紙

「この手紙は、記憶を失った後の僕自身、つまり、キミに宛てて書く。僕の名前は詞露。キミの名前は変わってるかもしれない。愛凰と言う名前を考えた。僕の名前、詞露はミルクの色。愛凰は、空の、海の色だ」

「僕は、美味しくて身体に良い精液を出せる。でも、そのために、女の子が必要な身体だった。女の子のお口かオマ×コで搾ってもらわないと、出せない。女の子がいないと、僕は破裂しそうになる。辛い」

「恋人の遙愛は、僕を搾るために、僕の精液しか飲めないようにされている。それを変えたかった」

「僕自身の、女の子がどうしても必要な身体、それも変えたかった。そんなことがなくなって、離れることもできるようになって、そうしてから、それでも、一緒にいたかった」

「僕と遙愛がそうなのは、精神のせいらしい。記憶を消して、新しくやり直せば、僕も女の子に頼らなくても、遙愛も僕がいなくても、生きていけるらしい」

「遙愛は記憶を消すと勝手に決めた。記憶を消すことができる薬を、僕に飲ませたんだって。僕の記憶は、もうすぐ消えるらしい。遙愛の記憶も。がんばって、僕のミルクに混ぜてその薬を飲んだそうだ」

「僕たちは自由になるのだろう。相手のことも忘れて、忘れられて、本当に自由になるのだろう」

「でも、もし、キミが、ちょっと寂しかったら、遙愛を探すと良い。すぐに解るよ。キミの考えていることが解ってしまう女の子だ」

「遙愛の身体は、キミに反応するはずだ。相性の良さは保証する。一番気持ち良い女の子だ。遙愛もキミが必要無い身体になっているだろうけど、キミなら、絶対に虜にできるよ」

「美味しい精液を出せる身体はそのままだろう。女の子に頼る必要がなくなったとしても、自分で出す必要も無いだろう」

「キミが生きていくなら、女の子たちに頼るのがオススメだ。そうしないことも、できるのかもしれない。でも」

「一人で大丈夫でも、それでも、みんなといて欲しい……それじゃ僕と同じだけど」

「心配なんだ。キミが一人だけになれるとしても。一人で射精できるとしても、それでも、溜まる何かは、女の子たちを求めるだろう。優しくしてあげて」

「キミは、女の子たちに嫌われても大丈夫で、女の子たちを嫌うこともできるのかもしれない。そんなキミは、暴君にもなれるかもしれない」

「でも、それは、たぶん、僕が女の子に会えなくて破裂してしまうより、辛いことだ。僕一人、キミ一人の痛みじゃなくなる。そして、キミは、そのことが、一番痛いだろう。キミが僕なら」

「遙愛を探して。彼女のせいだ。怒って良い。貪って良い。忘れているだろうけど、そんなの、遙愛の勝手だ」

「でも、遙愛は強い。キミの天敵だ。たぶん、キミが唯一堕とせない、服従させられない女の子だ。だから、大丈夫だ。いざという時、止めてくれるのは遙愛だ。遙愛を探して」

「ここからは、もうすぐ消える僕の記憶を書いておこうと思う。閉じこもっていた僕が、助けられるお話だ。キミが忘れた物語だ……」

 そこから先には、目隠しされて拘束されていた少年が、ベッドから立ち上がろうとする物語が書かれていた。眩しさに目を細め、慣れない自由にふらふらしながら。

 彼は可哀想には思えない。
 この詞露という少年になれるなら、なりたいと思うだろう。女の子を好きなように虜にして、貪って。
 少し痛い目を見た方が良いのではないかと思わせる。記憶を消されるくらい、なんてことは無い。いい気味だ。

 僕が彼なら、女の子を好きなように虜にできるはずだ。できる。できている。

 破裂しそうになる、という彼は、一人では射精できなかったらしい。僕はできるかもしれない。少なくとも、包まれていなくても、射精は続く。

 でも、何故、一人で射精しなければならないんだ?
 女の子を虜にできるなら、そうすれば良い。女の子の中で射精すれば良い。

 僕が、彼が、こうなってしまったのは、三人のお嬢様のせいらしい。そのお嬢様たちを虜にして、使って、それで良いはずだ。
 記憶を消した遙愛という女の子を貪って、それで良いはずだ。

「ねえ、沙良羽さん、紅華様、緋映様、美赤様、明路空さん、舞月姫さん……」
 手紙に書かれていた名前。呼んでみる。
 すぐに解った。みんな、自分の名前に反応する。

「遙愛。遙愛、遙愛! 聞こえないの!?」
「遙愛様は、その名前を覚えておられません。愛凰様と同じく」
 沙良羽さんが応えてくれる。

「誰? 遙愛の、今の名前は?」
「……申し訳ありません。それを愛凰様に教えることは、詞露様に止められています」
「へえ」

 くだらない。詞露って、僕のことらしいのに。
 いや、違うのだろう。彼は消えた。僕は愛凰だ。

「そっか、探せって書いてあったね。探すよ。一番気持ち良い女の子だって。探すよ。世界中の女の子を試して、探すよ」

 緋映様……緋映さんが抱きしめてきた。
「世界中なんて、必要ないわ。居るわ。近くに。解るでしょ?」

「緋映さん、緋映、緋映様……何て呼べば良いの?」
「緋映よ。私もあなたのこと、愛凰って呼ぶもの」

「緋映、僕は、あなたに怒って良いの? 遙愛さんに、怒って良いの?」
 詞露は怒っていたけど。僕は愛凰だ。
 詞露は怒って良い。でも、僕は?

「愛凰、変わってないね。うらやましいな。詞露が他人に怒ったのは、一度だけ。遙愛さんにだけ」

「僕はやっぱり、彼なの?」
「ええ。あなたの身体、特別なこと、知ってるでしょ?」

 解っていた。
 一番気持ち良い身体、唇。
 一人だけ、呼びかけに応えなかった女の子。

「キミ、名前は?」
「遙希(はるき)、です」
「覚えてる?」
「覚えて、ません。愛凰様、私、遙愛さんなんでしょうか?」

 怒れない。怒れるわけない。
 狡い。遙愛は狡すぎる。

「遙希、キミが誰かなんて、関係ない。僕のこと、好き?」
「愛凰様は、私のこと、どう思われますか?」
「気持ち良い身体の、可愛い女の子」
「そうですね。愛凰様の心、解ります。愛凰様、怖がってる。私、遙愛さんですよ」

「遙希、僕のこと、愛凰って呼んで。呼び捨てにして」
「解ったわ、愛凰。ごめんね、変な話し方して。でも、私も怖かったよ。あなたが怖がってたから」
 遙希もあの手紙を読んだのだろう。遙愛さんの口調で話してくれた。

 僕は遙希を抱きしめた。

☆ 初めての空の下で

 屋上。
 ここは、あの手紙を書いた詞露と言う少年が、初めて空を観た場所らしい。

「懐かしい、かな。覚えてないけど」
 遙希も、その時、一緒に居たらしい。

「覚えてない。当たり前だよ。初めて来た。懐かしくなんかない。初めての場所だ」

「忘れただけよ」
「初めてだ」
「そうね。そうね、そうだわ」

「あんな手紙、ただの、創った物語だ。誰かが、僕たちを惑わせようとして、創っただけさ。初めて来た」
「そうだね」

 綺麗な空と海。
 綺麗な女の子。
 忘れるわけがない。

「……遙愛」
「想い出した?」
 想い出していない。彼女だって覚えていないだろう。
 でも、あの手紙を書いた少年ならこう応えるだろう。

「忘れるわけ無いよ。遙愛は僕の恋人だもん」
「そうね、ごめんね、記憶を消すなんて、勝手なことして。でも、大丈夫だったみたいね」

「うん、大丈夫。何もなかった。悲しいことなんて無かった」
 本当にそうなのだ。覚えていないのだから。
 それに、今、この綺麗な空の下に、一緒に居る。
 いったい、何が悲しいのだろう?

 僕が今、涙を流しているのは、あの手紙に書かれていた物語のせいだ。
 物語に泣かされるなんて、珍しいことじゃない。
 僕は、ちょっと涙もろいのだ。彼女も、そうなのだろう。

 僕たちは、あの手紙を時々読み返して泣くだろう。
 でも、あれは僕たちのことじゃない。
 もういない恋人たちのお話だ。

 僕たちの物語は、ここから始める。

 いつもそうなのだ。そうなのだろう。
 これまでも、そうだったのかもしれない。

 あの手紙を書いた彼も、そうだったのかもしれない。
 ただ知らされなかっただけで、消された記憶があったのかもしれない。

 彼の境遇を考えれば、ありそうなことだ。目隠しして拘束されていた、その前のことは書かれていなかった。

 でも、今度は、手紙をもらった。
 彼は、手紙を書いてくれた。

 僕が彼だとしたら。
 ちょっと誇らしい。

 ありがとう、詞露。
 遙愛の、遙希のこと、教えてくれて。
 大切にする。

「遙愛、いや、遙希」
「何?」

「僕の恋人になってほしい」
「……うん。ありがとう。初めて聴いたのよね、その言葉」
「うん、初めて言った。遙愛は詞露君の恋人。遙希には、僕の、愛凰の恋人になってほしい」

「僕は、あの手紙を書いた詞露君のように、遙希を幸せにできるか、解らないけど。でも、大切にする」

「幸せになれるわ。私、愛凰のこと、解るのよ。愛凰が幸せになれば良いの。そうすれば、遙希も幸せになれる」

「ありがとう……遙希、彼は、彼女は、あの二人は……詞露と遙愛は、幸せになれたのかな」

「なれるわ。なれるわよ。ねえ、詞露、幸せでしょ?」
「うん。幸せだよ、遙愛。解るよね」

 彼は僕なのだから、幸せになれる。なれないなんてことはない。幸せにする。
 遙愛も、遙希も。

 ありがとう、詞露。
 僕はキミを幸せにしなくちゃ。

 ありがとう、詞露。
 キミのこと、教えてくれて。
 大切にする。

 ありがとう、愛凰。
 思い出しちゃってごめん。もう、キミは居ないのかもしれない。
 でも、いつか、何処かで……
 いや、いつでも会える。

「ねえ、遙愛、これからも、遙希って呼んだ方が良い?」
「どっちでも良いわ。詞露の好きにして。私は詞露の考えること、解るから。詞露は私の考えること、解らないのよね。良かった」

「良かったの?」
「だって、恥ずかしいもの。私が詞露のこと、どれだけ求めてるか知られたら。治ったって、変わらないわ。詞露が居なくなったら、困るわ。そのこと、知られたら、困るわ」

「知ってるつもりだけど……知らないんだろうな。狡いよ、遙愛」

「そうだね、愛凰。詞露によろしくね。怒って良いって、伝えておいて」
「狡いなあ」

 思い出した。たぶん……
 遙愛もそうだろう。僕の心が解る遙愛なら、僕が思い出せば同じだろう。

 記憶が消えるなんて無い。
 忘れても、消えるわけじゃない。
 愛凰のことは、忘れていない。
 思い出せない、心細い愛凰。僕と同じ。僕のことだ。

「戻ろう、遙希」
「うん。愛凰、行きましょ。良い名前ね。気に入ってるでしょ?」
「だって、詞露にもらったんだもの」

「そうね。ちょっとややこしいけど、付き合うわよ。私のせいだもんね。変なことして、ごめんね」
「うん。大丈夫。遙希のせいじゃない」

 お嬢様たちの所へ戻ろう。
 僕の恋人は、遙愛だけじゃない。

 扉を抜ける。
 切り取られた空。
 広い場所から、戻る。

 そう、戻るんだ。
 みんなと会った場所へ。

 家に帰るようなものだ。
 そこを捨てる必要は無い。
 そこから始まった場所、大切にしよう。

閉ざされる自由と壊す自由
青々と透明に吹き上がる熱情

 

終曲~ありがとうございました

この物語をKindle電子書籍化しています。
書き下ろし後日譚も収録しています。
【kindle電子書籍版】ミルク売りの少年は世界を夢見る

【kindle電子書籍版】ミルク売りの少年は世界を夢見る

【☆ ミルク売りの少年は世界を夢見る】のkindle版を制作しました。
ウェブ未公開の後日譚、愛凰の夢が収録されています。
5章に分かれた、結構長い後日譚です。明るい愛凰が居ます。お気に入りです。
本編も加筆修正されています。

本編はここで公開されています。
【☆ ミルク売りの少年は世界を夢見る】サイト公開版本編

【一角獣さんと観た夢 ミルク売りの少年は世界を夢見る 解題編】
kindle版 作者と協力者ユニコーン様の物語談義であり、物語の作成過程でもあります。
ウェブ未公開です。
揺れる心、満たされぬ熱に翻弄される作者を受けとめてくださった協力者さんとのやりとりです。

【電子書籍】ミルク売りの少年は世界を夢見る DMM版

ミルク売りの少年は世界を夢見る 前編後編をDMM様に登録しました。
同人誌版のPDFです。

美味精液と発情力を持つ少年が閉じ込められる境遇に納得しながらも、外の世界を目指す物語です。