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☆ 夢を諦め、でも叶える者たち 【抱師未満の彼と彼女、そして抱師たちのハーレム的日常 1】

 晴一郎(せいいちろう)は抱師見習いの少年だ。もちろん美しい。その精液は美味だ。性力も尽きない。バスタブを満たすほど射精することもできる。
 特殊能力も学んだ。体重を消せるようになった。御主人様を護り、身体を鍛える拳法も学んだ。上達した。
 でも、それだけでは抱師になれない。足りない。触れるだけで絶頂させる技が無い。精液は美味なだけで、特殊な薬効が無い。

 白花(はっか)も抱師見習いの少女だ。もちろん美少女だ。キラキラと輝くような元気な瞳、白いストレートの長い髪。背は少し小さい。彼女はその輝く瞳で、感情を見ることもできた。性愛にも役立つだろう特殊能力。
 体液も美味だ、唾液も汗も美味。愛撫の技、唇と舌の技、オマ×コの技も覚えた。良い香りを発し、性愛の気分を高めることもできるようになった。
 でも、やはり足りない。触れるだけで絶頂させることはできない。

 ある時、白花は晴一郎を見かけた。白髪が輝く美少年を見かけた。美しい少年少女は此処では珍しくは無い。彼だけが特別ではない。でも、強く惹かれた。
 晴一郎の微笑むような表情は平和だ。誰もそこに焦りなど感じないだろう。でも、白花には彼の焦りが見えた。彼は焦り、諦めかけている。
 何で、こんな綺麗な彼が諦めなければならないのか。美しさだけでは足りない、それは知っている。でも自分なら、彼の美しさだけで十分だろう。彼に仕えたい、いや、抱き合いたい。そして癒やしたい、自分も癒やして欲しい。抱き合い、唇を触れ合わせればそれができるだろう。

 一目惚れ。そういうこともある。抱師の修業には妨げになることだ。抱師は誰に買われるか解らないのだ。恋人を作るわけにもいかない。
 でも、抱師見習いたちは出会うこともあった。恋することもあった。
 かつては晶一郎と言う少年が恋花と言う少女に恋し、自分たちを買い戻したこともあった。火璃奈と言う少女が覇主可と言う少年に恋し、異世界で待ち伏せたこともあった。
 白花はそんな物語は知らない。でも、恋した自分は抱師にはなれないだろうと思った。彼に仕えることができるならがんばるだろうけど、おそらくそれは無い。

 そんな晴一郎と白花が、燐に呼び出された。
 燐は抱師の修行場の管理人だ。謎めいた美女。眼鏡とアップの髪、チャイナドレスの美人だ。年齢は誰も知らないが、おそらく人間のそれは超えているだろう。仙女と言って良いはずだ。

「晴一郎、白花、キミたちは抱師になれないかもしれない。美しさ、美味体液、それは十分だ。でも、触れるだけで絶頂させる指先、それが抱師には必要だ。キミたちには、その才能が足りないかもしれない」

「時間をかけても無理そうですか? 燐さんが判断されるなら、そうなのだろうけど」
「うーん、時間をかけさせてあげたいけど、その時間をもっと有効に使って欲しいとも思う。才能の問題はそんなモノさ」
「もちろん、だから諦めろとは言わない。でも、他のやり方を探しても良い。キミたちが目指してるのは抱師、だけど、その先にも何かが見えるはずだ。その先を目指す方法は、抱師になることだけじゃないかもしれない」

「えっと、僕は、性愛の快楽を楽しんでもらいたいと思ってます。僕自身も楽しみたいと思ってます。抱師なら、それができるはずだと思ってます」
「私もそうです。抱師じゃなくても目指せることではあるのだろうけど、抱師でなければ届かない高みがある、それも解ります」
「抱師にしかできないことはある。確かにね。でも、抱師にはできないこともある」

「白花、キミは晴一郎を気にしてるよね。晴一郎、それは解る?」
「え、えっと、やっぱりそうなんですか? 確かにそんな感じはあります。でも僕も、白花さんのことは、気にしちゃってると思う。だって、こんなに綺麗だし、可愛いし」
「綺麗で可愛いのは白花だけじゃないだろう? でも、白花だよね。白花も、晴一郎を特別に気にしてるよね」
「はい、その、解っちゃいますよね。でも、だから私は抱師になれない、そういうことですか?」

「キミたちは互いを気にしてる。そういう関係のまま、抱師になって、何とかした者も居る。でもキミたちはたぶん違う。違う道があるだろう」

「えっと、あるのかもしれないけど、解りません。白花さんと一緒に、此処から出られるのか、そうしても大丈夫なのか。燐さん、どうすれば良いと思われますか?」

「キミたち、抱師の御主人様にならないか?」
「え? でも、お金とか、無いですよ?」
「抱師は高価だからね。でも、もちろん支払いは待つよ。キミたちでも、性愛師としてお客様を迎えることはできるだろうし、キミたちの抱師も稼いでくれるよ」

「あの、それは、幸運なことなんだろうけど、どうしてですか?」
「抱師の御主人様は足りないのさ。誰でも良いわけじゃない、それは解ってるよね。キミたちなら、安心して任せられそうだ」

「あの、白花さん、それで良い?」
「燐さん、私には女の子の抱師をいただけますか?」
「うん、できるよ」
「それなら、一緒に晴一郎さんを愛せますね。晴一郎さん、私と一緒に、性愛の快感を究めていただけますか? もちろん、私の全てを捧げます。私の抱師にも、あなたにご奉仕させます」

「白花さん、何でそこまでしてくれるの? いや、解るよ。僕だってキミが好きです。えっと、その、恋人になってくれる?」
「はい! ありがとう、あなたから言ってくれて。愛してます!」
 白花に好かれている。愛されている。それは明らかだった。晴一郎も白花に惹かれている。それならこうすれば良い。

「うーん、素直な二人だからなー、こうなるよね。うん、それで良いな。でも白花、晴一郎を愛する女はキミだけじゃなくなるけど、それでも良いかい?」
「もちろんです! 晴一郎さんに私一人なんて、もったいないです! 世界中の美少女を楽しんで欲しいくらいです!」
「晴一郎、そういうわけだから、白花のことはしっかり愛してあげてね。キミの正妻だよ」
 晴一郎と白花は紅くなる。まだ結婚もしていないのに。でも、正妻と言うその意味は解る。一番の、正当な相手は白花だと言うことだ。

「それじゃ、抱師を紹介しようか」
 二人の美少女が現れた。白髪を三つ編みにした、華奢で儚げな美少女。背は白花と同じくらいだ、つまり小さい。
 そして、ややウェーブしている豊かな白髪をツインテールにまとめた、ふわふわした雰囲気の、更に背の小さな美少女。
 二人とも、ある意味頼りなさげでもある。しかし、晴一郎と白花の前に立った瞬間、その眼は自信と期待に燃えた。

「星花(せいか)お姉様、和花(やわか)も。抱師になれたのね。でも、どうしてですか?」
 白花の前に立つ、背の小さな抱師は、彼女の姉らしい。
「えっと、その娘は白花のお姉さん? じゃあ、こっちの三つ編みの娘は」
「妹の和花です。三姉妹なんです」
「白花は小さいと思ったけど、お姉さんの方が小さいんだな」

「白花様、星花はあなた様に、最高の快楽を捧げます。白花様が許してくださるなら、晴一郎様にも」
「晴一郎様、和花は確かに白花お姉様の妹ですが、あなた様の抱師として、お二人の性愛をお手伝いしたいです。そしてできれば、和花にもご奉仕させていただきたいです」

「星花お姉様、和花、正直に言って。何か企んでる?」
 感情が見える白花には、二人が何か隠していることが解った。
「白花ちゃん大好き。お姉さんが抱師の技で満足させて、メロメロにしてあげる」
「晴一郎様に一目惚れしたのは、白花お姉様だけじゃないのです。和花は抱師として認められましたし、性愛の技は白花お姉様に勝るはず。晴一郎様をメロメロにして、たくさん愛してもらうのです」

「燐さん、何かもう、返品確実な感じなんですけど」
「ダメかい? もちろん、二人の御主人様になったら、そんな企みを止めさせることもできるよ。抱師なら、御主人様を悲しませたりしない、できない、それは解ってるよね」
「うー、でも、何と言うか」
「もちろん、選ぶのは白花と晴一郎だけど。でも断られたら、星花も和花も待ち続けることになるな。それでもいつか誰か、御主人様が見つかれば良いけど」

「お願い、白花ちゃん、お姉ちゃんを助けると思って、もらってください! 晴一郎君を気持ち良くするお手伝い、しっかりやりますから」
「晴一郎様、和花じゃダメですか? もちろん御主人様の恋人は白花お姉様、邪魔とかしません。むしろお手伝いします」

「白花、僕はこの二人で良いと思う。白花も、お姉さんと妹のことは気になるでしょ? 僕たちは御主人様になるんだし、大丈夫だよ」
「晴一郎さん、白花のこと好きなのよね」
「もちろん」
「それなら、星花お姉様や和花も気に入るわよね。姉妹だものね。もー、エッチ、スケベ、三姉妹ハーレムは嬉しい?」
「うん、嬉しい。エッチでスケベな僕じゃダメ?」
「うー、ダメじゃないわ、望ましいのですけど! もー、たくさんしてもらうからね! 私だけじゃなく、星花お姉様にも、和花にもね!」

「此処から出たら、星太郎(せいたろう)君と言う人の所に行くと良い。彼も抱師の御主人様さ。彼の島の古い屋敷を借りられる。美味精液を売ってる先輩のお世話になると良い」
「星太郎? あの星太郎さん?」
「うん、愛神とも言われる、世界一の美味精液を持つ星太郎君さ。夢映(ゆめは)、希海(のぞみ)と言う二人の抱師も居る。抱師の中でもトップレベルの二人だから、学べることも多いだろう」

「その島には当然、精液と快感を求めるお客様も多く来る。キミたちには良い場所だろう。星太郎君には了解を得てる」
「ありがとうございます、でも、何だか怖いくらいです。僕の精液も美味しいらしいけど、星太郎さんに敵うわけない。大丈夫かな。やっていけるかな」
「大丈夫よ。晴一郎さん、いつか、最高の美味しさになれるようにお手伝いするから。正式な抱師も居るし、できるわよ」

「それじゃ、行きなさい。行ってらっしゃい。星花、和花、一人前の抱師として、御主人様たちと幸せにね」
「はい、ありがとうございました。行ってきます」

 みんなで転移門を潜る。抱師の修行場から出る。いつかその日が来ることを夢見ていたけど、何処か目指した場所とは違う場所に着いてしまったようだ。
 でも、星太郎と白花は期待している。愛する人と抱き合える、そんな場所に着くのだ。それはある意味、夢見ていた通りのことだ。
 夢を諦めた。でも叶った。そして、その先がある。何と幸運な、幸せなことだろうか。